アイドルオーディションに見る「新しい風」と地域活動の未来

先日、ブログでアイドルグループのメンバー加入や脱退について触れましたが、何気なくYouTubeを眺めていたところ、アイドルグループ「timelesz(タイムレス)」の新メンバーオーディションの動画が目に留まりました。

そこに映るのは、必死に頑張る候補者たちだけではなく、既存メンバーの強い想いやグループ愛、その覚悟です。 アイドルの世界は華やかですが、その陰には現メンバーたちがこれまで積み重ねてきた努力や、グループへの愛があり、そこに新しいメンバーを迎えるための決意と責任があることが映像から伝わってきました。

この動画を見ていて、ふと自分の仕事にも重ね合わせてしまいました。 実は私も、今の職場に入る際、周囲からは「全く新しい人」という目で見られていたようです。今、私は地域活動に関わる仕事をしていますが、入職当初は「これまで活動して来ずに、いきなり加入してきた人」として迎えられ、だんだんそれに気づくと居心地の悪さやプレッシャーも感じました。

今では、数年たって、ようやく地域活動が抱えるさまざまな課題が見え、それに自分なりに入っていって取り組む日々を送っていますが、最初はどのように自分が役立てるかよりも、「ここで求められているのは何か?」と模索するところから始まりました。

「timelesz(タイムレス)」の既存メンバーが、新しいメンバーを迎え入れるために気持ちを語る場面に、私は特に心を打たれました。新しい人を迎え入れるには、実はそれまでの土台を支えてきた既存メンバーたちの大きな覚悟が必要です。特に印象的だったのは、「このオーディションは、新しいグループをつくるのではなく、今までのグループの歴史や想いを引き継いで俺たちと一緒にやっていく仲間を選ぶんだ」と真剣な眼差しで話す姿でした。これは、単に自分たちに向こうが合わせるということではなく、それまで長く応援してきたファンを強く意識した言葉だと感じました。

もちろん既存メンバーが語るグループ愛や覚悟は、今までのやり方に安住するのではなく、新しい風を受け入れてさらに進化していこうという強い意志を感じさせます。アイドルの世界には「新陳代謝」が自然な形で組み込まれているように見えますが、これはグループが長く愛されるために必要なプロセスなのだと思いました。

一方、私の関わる地域活動も、今まさに「新しい風」を求めています。現状では多くの活動が高齢化し、「若い人がいない」と嘆く声が聞かれる一方で、これまでのやり方に固執してしまい、新しいアイディアを受け入れる土壌が整っていないことも少なくありません。しかし、グループの既存メンバーたちが新しい仲間を温かく迎え入れようとする姿に、地域活動にも大切なヒントがあると感じました。新しい人材を迎え入れる時には、その人たちが自然に受け入れられ、自分を活かせる環境が整っていることが大切なのです。

「timelesz(タイムレス)」の動画は連続して配信されているのですが、その中でも特に印象的なシーンがあります。

それは、他の人気アイドルグループ「Snow Man」の一員で、新しく加入した側のメンバーの一人が、誠実かつ率直にその想いをつづった手紙を「timelesz(タイムレス)」の既存メンバーが代読し、「Snow Man」のメンバーの一人が耳を傾けているというシーンです。この手紙は、今オーディションを受けている人たちのみならず、既存メンバー、応援しているファンに向けても言及しているのです。

「グループの一員になることの覚悟と現在も持ち続けている葛藤」といった揺れ動く心のありようが赤裸々に長文で語られていて、それを読む声に私は聞きいってしまいました。

手紙の書き手の彼は、オーディションに挑む人たちに向け、仲間やファンへの感謝とともに、「自分もグループをより良くしていきたいという気概」をもってほしい、とエールを送っています。まさに新加入者として入る側の先輩という立ち位置ですね。彼の文面には自分自身の責任感とグループ愛が溢れていました。同時に未だ彼には「既存グループに後から加入したという立ち位置の意識を持ち続けていこう」と覚悟している様子も痛いほど伝わってきました。

 その複雑な心の機微はぜひ実際の動画をご覧ください。

 私が視聴した動画はこちらです

 さて。地域活動においても、アイドルグループのように新しい風を歓迎し、受け入れる準備がある組織こそが成長し、未来に繋がっていきます。

「timelesz(タイムレス)」のオーディションを通して、私は自分がいる職場や地域の活動にも、変化を受け入れ、サポートしていく姿勢が求められていることを強く感じました。これからも、「timelesz(タイムレス)」の既存メンバーたちのグループ愛と覚悟に倣い、地域活動にも新しい風を取り入れ、次世代にバトンを繋いでいけるよう努めていきたいと思います。

案内人りく