カッパドキアの旅行は、空から地中、さらには人々の暮らしへと多面的に楽しめる貴重な体験でした。今回のブログでは、気球体験、カイマクル地下都市の探訪、そして洞窟住宅の見学という、印象深いスポットをまとめてご紹介します。
旅の始まりはカッパドキアの象徴ともいえる気球体験。朝日が昇る中、浮かび上がる気球と、奇岩群が織りなす幻想的な風景は、言葉にできない美しさでした。地上では見られない視点から広がる景色に、カッパドキアの雄大さを改めて感じました。
カイマクル地下都市は、トルコのカッパドキア地方に点在する多くの地下都市の中でも特に有名な遺跡です。この地下都市は紀元前にさかのぼる起源を持ち、現在知られている限りで地下8階まで存在します。主にキリスト教徒がアラブ人の迫害を逃れるために避難所として使っていたとされ、最盛期には5000人以上がここで暮らしていたとも言われています。
都市全体は緻密に計画されており、教会や学校、家畜のための厩舎、食品貯蔵庫、さらにはワイン醸造所まで完備されています。地下での生活を支えるため、換気口や井戸も巧妙に設計されていて、現代の我々が見ても驚かされるほどの技術が詰まっています。
カイマクル地下都市を訪れる際に、事前に「閉所恐怖症がある方は途中で引き返すことをお勧めします」と案内されます。実際、狭い通路や暗い部屋が続くこの遺跡は、閉所恐怖症の人にとって挑戦的な場所かもしれません。
私は特に閉所恐怖症の自覚はなかったのですが、「せっかくだから」という気持ちでガイドに付いて行くことにしました。一部の通路は非常に狭く、腰を90度に曲げなければ通れない場所もあり、まるで体全体で地下の歴史を体感しているような感覚でした。
地下都市の中には、丸い石で作られた「ドア」のような防御用の構造物があります。これは、敵が侵入してきた際に通路をふさぐ役割を果たしていたものです。また、換気口から見上げるとわずかな光が差し込み、地下深くにいながらも地上を感じることができます。
カイマクル地下都市を訪れたことで、当時の人々がどのような思いでこの場所を作り、命をつないできたのか、深く考えさせられました。気球で空を飛ぶ体験と地下での冒険、まさにカッパドキアの魅力を地上と地下の両方から味わうことができました。
翌朝は、洞窟を利用した住宅を訪問しました。この地域では洞窟住宅が国に指定され保存されています。現在、所有権は国にあり、住人は借りて利用する形だといいます。
私たちを迎えてくれたのは、現在は他所で暮らしているという夫妻。室内には大小さまざまなデザインの絨毯が敷かれ、細長いクッションが床に座れるように配置されていました。その雰囲気は質素ながらも豊かさを感じさせます。
中でも印象的だったのは、祖母の代から大切に受け継がれたという古い絨毯。絨毯やクッションといった手工芸品は見学後に購入もでき、私たち旅行者にとって良い思い出になりました。何世代にもわたって愛用される品々と、それを大切にする暮らしぶりに心を打たれました。
カッパドキアは、その自然や歴史、そして今も息づく人々の文化に触れることができる特別な場所です。空を飛び、地下に潜り、そして地上で人々の暮らしを垣間見る旅は、何ものにも代えがたい体験でした。
訪れる際は、動きやすい服装と靴を準備し、特に地下都市では身体を小さくして進むことを楽しむ気持ちで挑んでみてください。そして洞窟住宅では、持続可能でシンプルな暮らしに思いを馳せるひとときを過ごしてみてください。