インスタグラムを通じて偶然見つけた小さな喫茶店。その日、家族と一緒に訪れたのは年末の夕方でした。友人のインスタ経由でその店がストーリーズで営業情報を毎日発信しているのを確認。実際に足を運んでみたら、そこにはただの喫茶店ではなく、未来を語る料理人の姿がありました。
お店は、入り組んだ路地の一角に佇む隠れ家的な空間。地理に詳しくないと少し迷ってしまうかもしれませんが、その分到着した時の達成感もひとしおです。駐車スペースはお店の前に3台分。近隣にはコインパーキングもあるため、問題ありません。
内部はカウンター7席と未使用のテーブル席が一つ。こじんまりとしたスペースは、ステンドグラスのランプシェードとビロード張りの古風な椅子。不思議と落ち着く雰囲気を持っています。開店は最近では夕方6時。開店と同時に席が埋まり、19時半頃から2巡目が始まる様子。地域の常連さんたちに愛されているのがわかります。
クレープ。イタリアの3つ星レストランで教えてもらったとのこと。中にはグランマニエでフランベしたフルーツソース、カスタードクリーム、バニラアイスが入っています。仕上げは品種不詳の柑橘。とてもいい香りで、ぱりぱりとしっとりのハーモニーが絶妙です
店主は本業がEC事業で、喫茶店は趣味として営業しているとのこと。提供されるメニューはイタリアン。パスタと単品料理、加えてなぜかスリランカカレー。特にカレーは、店主がイタリア修行中に出会った知人から学んだという特別な一品。異国の風を感じさせる味わいに心が弾みます。
調理は仕込み済みのレトルトソースを湯煎し、1.4mmのパスタを茹でて提供。効率的な調理スタイルと、店主の手際の良さのおかげで、ワンオペながらもスムーズにサービスが行き渡ります。
最近はパスタの量が控えめな店が増えている印象ですが、こちらでは1皿1500円前後でしっかりとしたボリュームが楽しめます。食べ盛りの家族も大満足の一皿で、コスパの良さも抜群です。
この店主が本当にユニークなのは、料理を通じて「未来」を見据えていることです。なんと彼は、2040年に予定されている宇宙での飲食店20店開業への出店入札を目指しているとのこと。そのために5000億規模の会社に成長させたいという壮大なビジョンを掲げています。
イタリア風げんこつハンバーグ
イートインの客にはマッシュポテトがつきます
話によると、この県では県民衛星を打ち上げるプロジェクトがすでにあり70社以上の企業が関与していることから、宇宙への関心も高いのだそうです。この背景が、彼の大胆な夢を支える土壌となっているのだとか。一方、東京で同じ話をしても誰も相手にしてくれなかったそうで、自分たちが知らなかったこの県の懐の深さを逆に教えられました。
この県での年末年始の喫茶営業は今回が初めてとのことで、店主は客の反応を見ながら柔軟に対応している様子。ランチ時間帯も開けてみるそうです。料理の味わいだけでなく、店主の語る未来への夢も大きな魅力です。
ぜひこの未来を語る料理人の喫茶店を訪れてみてください。一皿に込められた情熱と壮大なビジョンに触れ、心が動かされる体験ができるはずです。
モチエビのパスタ
三国で獲れたエビを50尾分くらいいれているとのこと。濃厚な味わい。