今年の1月。アドベンチャーワールドで長年暮らしてきたジャイアントパンダの永明が、中国で静かにその生涯を閉じたという訃報が届きました。
たくさんの命を育み、日本中から愛された彼に、先日のお別れ会でそっと手を合わせてきました。
「ありがとう」と「おつかれさま」を伝えたばかりでした。
それだけに、今回のニュースには大きな衝撃を受けました。
今年6月、和歌山県白浜町で暮らす雌のパンダ4頭すべてが中国に返還されるという発表――。
まるで、大切な家族が一度に遠い国へ旅立ってしまうような、そんな深い寂しさが押し寄せてきました。
白浜には、永明の連れ合いだった**良浜(らうひん)**と、年頃になった3頭の子どもたち(結浜、彩浜、楓浜)がのんびり、幸せを私たちに届けてくれていました。
私たち来園者は、またいつか新しい命に出会えるのではないかと、ささやかな希望を抱いていました。
けれども、お婿さんを迎えることも叶わず、結果として30年という節目で日中共同の繁殖プロジェクトが終焉を迎え、「繁殖のため」「パンダたちの幸せのため」に中国に帰ることになったのでしょう。
頭では理解できても、心はなかなか追いつかない。
これまで何度も「また会いにくるね」と話していたあの子たちに、今度ばかりは「もう会えないのかもしれない」と思うと、言葉が詰まってしまいます。
我が家がアドベンチャーワールドを訪れる一番の理由は、いつだってパンダでした。ここ数年しか行けてはいない「にわか」ではありますが、それでも時には愛犬と一緒に、時には日帰り強行で・・・。
パンダたちのふとした仕草に笑い、眠る姿に癒され、何度も足を運んで……。
あの場所には、確かに「幸せな時間」がありました。写真や動画ももう数えきれないほど撮ってきました。
実は昨年、永明とともに先に中国に旅立った**桜浜(おうひん)と桃浜(とうひん)**に会うため、アドベン主催のツアーに参加して中国四川省成都を訪れました。
桜浜には会えなかったけれど、中国の施設でのびのびと過ごすパンダの姿に、安堵と喜びを感じたことをよく覚えています。
きっと今回の4頭も、同じようにルーツである地で健やかに暮らしてくれる。
そう信じて、今はただ「いってらっしゃい」と見送りたいと思います。
これからは視野を海外にも広げ、世界の動物園や保護活動にも関心を向けていくことになるかもしれません。
それでも私にとって、アドベンチャーワールドはやはり特別な場所です。
ジャイアントパンダとの距離の近さだけでなく、イルカやペンギン、カバたちとのふれあい、命の大切さを感じられる展示の工夫――。
ここにしかない感動があります。
今はまだ気持ちの整理はついていません。
でも、パンダたちが残してくれた思い出や、心に芽生えたやさしい気持ちを胸に、これからもアドベンチャーワールドを応援していきたいと思っています。
ありがとう、白浜のパンダたち。
たくさんの笑顔を、本当にありがとう。
またどこかで、あなたたちの姿に出会えることを願って。
中国での新しい毎日が、どうか幸せで満たされますように。
アドベンチャーワールドは独特の展示方法と楽しませる工夫が満載。パンダがダントツのスターであることは事実ですが、他の子たちも大切な大切な命・・・。
また必ずあなたたちに会いにいきます