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子どもに「上海、何しに行くの?」と聞かれて考えた、海外旅行の「目的」とは?

先日、子どもからこんな質問を受けました。
「上海、何しに行くん?」

悪気は全くない純粋な疑問でしたが、よくよく考えてみると、確かに「目的がはっきりしていないと海外旅行に行きづらい」という感覚は、多くの人に共通するものかもしれません。

なぜ「目的」が旅行の動機になるのか?

一般的に海外旅行といえば、「観光スポットを巡る」「有名な体験をする」「現地のグルメを楽しむ」など、何かしらの「目的」があってこそ出かけるものです。
例えば、

  • 「上海ディズニーランドで遊びたい」
  • 「ジャイアントパンダを見に動物園へ」
  • 「本場の小籠包を食べに行く」等々

こうした明確な目的は、旅行計画の軸になりやすく、旅行自体のワクワク感や達成感を生み出します。

「目的がなくても行きたい」旅の魅力とは?

一方で、私の場合、今回の上海旅行の目的は「ただその街を見てみたい」というシンプルなものです。

有名な観光名所は当然気にはなりますが、マストというわけでもなく、単純に、上海の街並みや人々の生活の雰囲気を感じ、そこでしか味わえない空気に触れたいのです。

こうした「街そのものを感じる」旅は、近年注目される旅のスタイルでもあるようです。
旅先での体験が「観光」ではなく「生活の一部のような時間」になることで、より深い感動や気づきが得られるのです。

「旅の目的」=「何かをすること」だけじゃない

旅行の目的は必ずしも「何かを観光する」ことに限らず、「感じる」「考える」「休む」など多様です。

  • 見知らぬ街を歩くことで、日常から離れ自分を見つめ直す時間にする。
  • 新しい文化や価値観に触れて視野を広げる。
  • ただ静かに過ごし、心身をリセットする。

こうした目的は目に見えにくいかもしれませんが、旅の醍醐味の一つだと私は思います。

子どもにはわかりにくい「旅の目的」?

だからこそ、子どもに「上海、何しに行くの?」と聞かれた時に、わかりやすい答えに困ってしまうのも無理はありません。
子どもにとって「旅行の目的=遊ぶ・食べる・見る」ことが主な楽しみであり、それがないと「なぜ行くの?」となるのは自然なことです。

でも、大人になると「目的のない旅」や「目的を探す旅」も面白く感じられるもの。
その違いもまた、旅の魅力の一つだと思っています。

さすがに「暮らすように旅する」などという言葉を使うと大袈裟?ですが、その街の一部になってみたい、という感覚でしょうか・・・。


大人になると減る「ワクワク感」と新しい体験の意味

子どもの頃は、毎日が新しい発見や体験の連続で、自然とワクワク感がありました。
しかし、中高年になると、日常の中で「こんなの初めて!」という刺激や感動を感じる機会がぐっと減ってくる気がします。

もちろん、常に新しいことに挑戦している方は別ですが、多くの人にとっては日常生活はルーティン化しがち。

その結果、生活の中の「ワクワク感」をどう補うかが、心身の健康にも大きく影響してきます。

よくある方法としては、

  • 新しいドラマや映画を見て感動を味わう
  • ランチの食べ歩きをして新しい味に出会う
  • 御朱印集めや趣味を通じて小さな達成感を得る

などがありますが、私の場合は「海外に行くこと」がその役割を担っています。

旅がもたらす「新しい体験」と心の刺激

海外旅行は、知らない土地を訪れることで五感が刺激され、日常とは異なる環境に身を置くことができます。

 実際、海外に行くととても緊張します。でもその緊張感が心地よい。「言葉が通じるだろうか」「食べ物に有り付けるだろうか」「目的地にちゃんといけるだろうか」などなど、日本にいたら感じないような不安とワクワク。そんな刺激を求めて知らない土地に行くのだと思います。

また、「ただその街を歩いてみたい」というシンプルな目的でも、現地の空気、人の暮らし、街の風景に触れることで、日常の枠を越えた新鮮な感動や気づきを得ることができるのです。

それは、映画やテレビでは得られないリアルな体験。

中高年になっても、こうした体験は自分の中の「ワクワク感」を呼び起こし、心に活力を与えてくれます。

まとめ

  • 海外旅行は多くの場合、目的があって初めて計画しやすい。
  • 子どもはわかりやすい「目的」を求めることが多い。
  • しかし「街を感じたい」「ただ訪れたい」などのシンプルな目的も立派な旅の理由。
  • 旅の楽しみ方は多様で、目的は「何かをすること」に限らない。

あなたは「旅の目的」をどう考えますか?
次の旅は、いつもと違う「目的のない旅」を楽しんでみてはいかがでしょうか。

案内人りく