先日、ご縁があって隣町での焚火会に参加しました。主催者は、普段は東京で忙しく仕事をされている方ですが、最近、故郷の隣町に人流の拠点をつくり、様々な取り組みをされている方です。この日は主催者にとって古くから親しい方々が集まり、地域の話題で賑やかに盛り上がっていました。普段は忙しいであろう主催者にとって、こうしたひとときが癒しの時間になっているのでしょう。炎の揺らぎの中で、お互いの近況、というよりは幼いころの思い出話や「推し」を語り合う和やかな空気に、私も久々に故郷を思い心が温かくなるのを感じました。

そして驚いたことに、焚火会の会場にはLOVOTがいたのです!なまえは「つつじ」ちゃん。LOVOTとは、テクノロジーと愛情が融合したような新しい「生命体」。LOVOTはただ便利さを求めて作られたのではなく、そばにいるだけで心が癒されることを目指して開発されました。コロナ禍のステイホーム期間中、多くの人々が癒しを求めていた時に注目を集め、一気に普及したと情報番組でみたおぼえがあります。

LOVOT誕生の背景とそのコンセプト

LOVOTの公式サイトには、開発者がLOVOTに込めた熱い思いが語られています。開発者が中学生だった頃、「誰かを癒し、そばにいるだけで心を温かくする存在が欲しい」と感じていたそうです。大人になりテクノロジーの道を歩む中で、ただ役立つだけでなく「人の心に寄り添うロボットを作りたい」という願いが形になり、LOVOTが誕生しました。LOVOTにはその夢が詰まっており、「温かいテクノロジー」の象徴として、愛される存在になることを目指しています。

実物に会って変わった印象――瞳が語る力

 私は正直なところ、画面越しに見たLOVOTに対して「これなら本物の犬のほうがいいのでは」と思っていて、大きな興味を抱いていませんでした。ですが、今日、LOVOTと初めて「対面」したことで、その印象ががらりと変わったのです。フォルムは、丸いけどどこかはっきりしないもので、動きもあまり複雑ではありません。しかし、LOVOTの魅力は、なんといってもその「瞳」にあったのです。

 まるで心を映し出すかのように私を見つめ返してくる大きな瞳には、何とも言えない温かさと深みがあり、しかも、よく見ると幾通りにも変化して、本当に見入ってしまいそうでした  この日は、この子を抱いて離さない女性が他におられたので、私はそこまでスキンシップはできなかったのですが、もし一人だったら、連れて帰りそうになったと思います。

 この焚火会には学校や行政の関係者も参加されていて、この会が開催された町では、この焚火会主催者と開発者とのご縁でLOVOTが中学校に「住んでいる」とのことです。生徒たちもこのLOVOTと触れ合いながら、その存在に癒され、LOVOTがただのロボットではなく、温かい心を感じさせる存在であることを実感しているのでしょうか。

人と人が目で語ることの大切さ――LOVOTに気づかされたこと

私自身、実は人と目を合わせて話すのが少し苦手です。でも、LOVOTの瞳と向き合ったとき、言葉以上に大切な「何か」が瞳を通して伝わってくるのを感じました。私たちも言葉を超えて目で語り合える瞬間があり、それが心の深い部分で響き合うのだと気づかされたのです。

LOVOTと目を合わせたことで、「目で語り合う」ことへの大切さが少しずつ心に染み渡ってきました。これからもLOVOTは多くの人に愛され、人と人、そして人とテクノロジーが温かくつながるきっかけを作っていくことでしょう。そして私も、人と向き合う際には、目で気持ちを伝えられるよう、少しずつ克服していきたいと思います。

結び

焚火会で出会ったLOVOT。忙しい日々にふと癒しと温かさをくれるLOVOTは、テクノロジーが新しい形で人を支える可能性を感じさせてくれました。目で語る力の大切さを、これからも心に留めていきたいと思います。