先日、街の中心にある小さな本屋さんで開かれた「介護に関するお話会」に参加しました。この本屋さんは、袋小路の奥にひっそりと佇む隠れ家的な存在。入り口はこぢんまりとしていて、気を抜くと通り過ぎてしまいそうですが、一歩足を踏み入れると、選び抜かれた本たちが迎えてくれます。
店主のこだわりが光るラインナップは、一冊一冊が特別な存在。美しい装丁に目を奪われ、つい手に取ってしまう本ばかりです。普段、書店を訪れる機会が少ない私でも、ここにいると「本を選ぶ楽しさ」を思い出します。まさに、本好きにとっての秘密基地のような場所。
そんな特別な空間が、この日は「語りの場」になりました——。
今回のお話会は、店主と看護職の方が、日頃の介護の悩みを話す中で「こういう話を気軽にできる場があればいいよね」と思いついたのがきっかけ。急遽1週間前に決まった会でしたが、私はたまたまその看護職の方と別のグループでつながっており、知人を誘って参加しました。
開始5分前に到着すると、私が一番乗り。店主が「今日は何人来てくれるか、ちょっとドキドキしてたんですよ」と言っていたのが印象的でした。イベントを企画しても、自由参加の場合は本当に人が集まるか不安ですよね。最終的に、介護初心者、すでに両親を介護している方、真っただ中の方、介護職の方など、さまざまな立場の7名が集まりました。

印象に残った話題
会の中で特に印象的だったのは、
- 「専門用語がとにかくわからない」
医療機関や高齢者施設の呼び方、カテゴリーの多さ……。初めて聞くと、一体何がどう違うのか分からないという声がありました。制度や仕組みは複雑で、説明を受けてもなかなか理解できず、「とりあえず何度も聞いて覚えるしかない」という経験談が共感を呼びました。 - 「施設に入るのに100人待ち」
いざ施設を探そうとしても、すぐには入れない現実。「申し込みさえしておけば何とかなる」と思っていた方も、実際には100人待ちだと言われ驚いた様子でした。特に「介護はある日突然始まる」という言葉には、皆が頷いていました。 - 「家族で意見が食い違い、人間関係が悪くなる」
「母は家で看るべき」「いや、施設のほうが本人のため」「家にいる人がお金をだすべき」――兄弟や夫婦間で意見が合わず、関係がぎくしゃくすることも。 - 「女の子が見るのが当たり前?」
「息子は仕事があるから、娘が面倒をみるのが普通」という考え方に違和感を覚えるという話も出ました。「介護は家族の問題」と言われるけれど、その負担が一部の人に偏ることへのモヤモヤを共有し合う場面もありました。
参加者同士の共感と気づき
話しているうちに、「うちも同じ!」と頷いたり、思わず涙する場面が増え、初対面同士でも自然と打ち解けていきました。特に、「一人で抱え込まなくていいんだ」と感じた瞬間が、皆にとって救いになったようです。
また、「これから介護が始まる人は、どこから情報を集めたらいいの?」という問いには、参加者同士で情報交換が活発に行われ尽きることがありませんでした。経験者の言葉は、これからの備えを考えている人にとって、とても参考になったはずです。
次回があるなら話したいテーマ
介護の悩みは尽きることがありません。もし次回があるなら、
- 介護の手続きやサービスの基礎知識を学ぶ会
- 家族の意見が対立したときの対処法
- 介護する人の心のケア
- 「一人で抱えないために、周りに相談できる環境を作るには?」
といったテーマで話したいという意見がありました。
まとめ
介護は決して楽なものではなく、時には苦しく、孤独を感じることもあります。でも、こうして語り合うことで「私だけじゃない」と思えたり、新たな視点を得られたりするものです。
今回のお話会も、参加者それぞれの思いが交差し、「また話したい」と思える時間になりました。
これから先、介護に向き合うすべての人が、少しでも心軽やかに過ごせるように。そんな場がまた開かれることを願っています。
わたしのこと
私は今のところ、介護がさしせまっているわけでもなく、親の介護もほとんどやったことがありあせん。ただ、この会が妙に気になり、行きたいと思った出来事があります。それは、私と年が近い知り合いが最近「脳梗塞」で倒れ、体に麻痺が出ていると聞いたこと。その方は同時に初期の癌もみつかり医療や介護にかからないといけなくなったのですが、頑として治療やリハビリをこばんでおられる。
また、夫婦二人の生活で、ほとんどの家事を一人で切り盛りしておられたらしく、年齢がすこし上の夫がやったことのない家事をすることになったことや、この先一体どうするつもりかわからないと周りが困惑している・・・と人づてに聞いて、それまで漠然と不安だった介護がより身近に感じられてしまったのです。
自分がする立場でなく、される立場になることもある。
当たり前ですが、そうなったときに慌てて準備をするのはちょっと遅いかもしれない。
せめて、通帳やその他の金銭の整理や保険の連絡先など、先延ばしにしておいた「エンディングノート」の記載、もろもろ整理しておいてもいいですよね。

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