お砂糖なしでつくるあんこです。お砂糖なしでもしっかり甘くなる発酵あんこの作り方をご紹介します

作る工程で「あるもの」をプラスしてしっかり甘くなる発酵あんこの 作り方をご紹介します。失敗しないポイントなども詳しく説明します。

(材料)小豆200g/生麹/もち米・・・いずれも同量

 1 豆を洗っていきます。小豆は皮から水分の吸収がしにくく、白い芽の部分から水分を吸収しています。この芽の部分は冷たい水に当たると キュッと閉まって水を吸収しづらくなってしまうので、お湯をかけてさっと洗います。

 2 この後、小豆をしぶきりする時にお湯を使うので多めに沸かしておきます。洗った小豆をお湯の中に入れたら強火 にかけ再沸騰するのを待ちます。

 3 沸騰したらここに冷たい水を1カップ 入れます。 びっくり水をしてお湯の温度を一気に 下げることで表面の加熱が一時的に抑えられ皮の硬い小豆もむらなく炊くことができ ます。小豆は皮が硬く中身は柔らかいので、ただ煮るだけだと皮と中身で水の吸収度合 が変わってしまい ます。小豆の中身に水を吸わせやすくなる頃 には皮が柔らかくなってしまい中身が十分 に水を吸う前に皮が破けやすくなり中身が 出てしまいます。できるだけ小豆の中身を出さないよう にびっくり水をすることで小豆の風味が 残った美味しいあんこになります。

 4 再び煮たってきたらこのまま10分 茹でていきます。煮汁が色づいたら、茹でた小豆をざるに開け水切りをます。ここまでが「渋きり」です。渋切りをすることで小豆の渋みや苦み がなくなり、すっきりとした旨味のある餡になります。

 煮汁は小豆のポリフェノールやサポニン などの有効成分が含まれています。若干渋みはありますが、あずき茶として飲むと結構美味しいです 。あずき茶はおやつタイムなどにお菓子と 一緒に合わせると血糖値を上がりにくくし てくれる効果があります。冷蔵庫で3,4日保存可能なので捨てずに活用してみてください。

 5 渋がついたお鍋は軽く洗ってから 水きりした小豆を鍋に戻します。そこにお水を3カップ入れ強火にかけていきます。あずきが優しく踊るくらいになったら 弱火で40分から60分くらい煮ていきます。

 (ポイント)水分がなくなると焦げつきの原因に なるので時々お水の量が減りすぎていない か見てあげてください。もし水分がなくなって小豆の表面が見えていたら水を足してください。

 6  45分煮ました。あずきの硬さをチェックしてみましょう。力を加えなくても簡単に潰れるくらい柔らかくなっていたらOK です。茹で時間はあくまで目安ですので小豆 の硬さに応じて調整してください。

 7 茹で上がった小豆をざるにあけます。 この茹で汁は後で使うので取っておいてください、

 8 この後、麹を混ぜていくのですが、 この熱々の小豆に混ぜてしまうと麹酵素がうまく働かなくなってしまうので60° Cくらいになるまで冷まします。軽く混ぜてあげると早く冷めます。

 9 60°C付近になったら、ここで麹とあるものを 入れていきます。それはもち米です。

(もち米の効能)発酵あんこをより甘くする食材はもち米 です。発酵あんこは麹菌がでんぷんをブドウ糖や オリゴ糖に変えることにより自然な甘みを作ります。麹菌の餌になりやすい でんぷんを多くすると甘みが強くなるという原理 です。もち米に含まれるアミロペクチンというでんぷん成分が甘いブドウ糖になるのですが 普通のお米よりも、もち米の方がこの アミロペクチンを多く含んでいるので、もち 米を入れると驚くほど甘くなるのです。

 もち米がない場合は切りもちでも 大丈夫です。切りもちを使う場合は細かく刻んで から小豆に混ぜます。もち米も切りもちもない場合は普通のご飯で代用できます。もち米や普通のご飯を使う場合は炊いたものを使うようにしてください。 炊いたものを使った方がしっかり甘みがつきます。

 10 まずは麹から混ぜます。なま麹でも作れますが乾燥麹の方が 小豆の煮汁を多く含み風味がつくので乾燥 麹がおすすめです。よく混ぜましょう。

 11 混ざったら次はもち米を入れていきます。分量は全て小豆と同量なので覚えやすいです。少しパサパサしているので先ほど(7)のゆで汁を加えていきます。煮汁は上よりも、下の方に沈殿している ドロっとしたところを使うようにします 。 煮汁を足す量は、もち米を使うのか切りもちを使うのかでも変わってくるので 調整しながら入れてみてください。後から煮汁を足すこともできるのでちょっとパサパサしてると感じるくらい にしておいてください。大さじ5杯くらいを目安にして下さい。煮汁はまだ取っておいてください。全体がしっとりしてきたら OK です。

 これから発酵させていくのですが発酵あんこは炊飯器やヨーグルトメーカー・ホーム ベーカリー・オーブンなど発酵機能が付いているものや温度が60°Cに設定できるもの ならお好きな調理機で作ることができます(低温調理器でもよいかもしれません)。発酵あんこは炊飯器を使って作るレシピが 多く紹介されていますが、お好きな調理器具で作ってみてください。

ヨーグルトメーカーの場合

 あんこを入れたらヨーグルトメーカーにセットしていきます。温度は60°Cに設定し8時間以上は発酵さ せたいので麹を混ぜる段階で温度が 下がったことを考慮して9時間発酵させていきます。

ホーム ベーカリーの場合

次はホーム ベーカリー内釜にあんこを入れ ます。おもちのホームベーカリーに発酵モードや 甘酒モードがある場合、温度を確認しましょう。説明書にもかかれているかもわかりません、不明な場合メーカーに問い合わせてみましょう。

私が参考にした動画の機種では甘酒 モードがあり、温度は50°C前後だったので甘酒モードで作っていました。温度が50°C前後と少し低いので10 時間に設定し作ります。

オーブンの場合

 あんこをボールに入れて乾燥しないように上に濡れふきんを被せます。ホームベーカリーやヨーグルト メーカーはあんこが入っている容器に ヒーターが当たるのであんこまで温度が行き届きやすいですが、オーブンの場合は 熱風で庫内を温めるのであんこまで熱が 伝わりづらい です。ですので、最初は100°に設定し ます。100°Cで温めるとちょうどあんこが 60°くらいになります。それから様子を見て温度を下げていく というやり方でやっていきます。

炊飯器の場合

 炊飯器で作る場合は保温機能を利用します。炊飯釜にあんこを入れて炊飯機にセット、 炊飯機の蓋は締めずに濡れぶきんを上にかけ て保機能をスタートして ください。

 1時間経ちました。ここで大事なポイントがあります。それは こまめに全体をよく混ぜること です。途中で混ぜることで発酵のムラや全体の 温度が均一になり発酵しやすくなってより 甘いあんこになり ます。混ぜたら引き続き発酵させていきます 。

  (ポイント)どの調理器具を使うかで仕上がり具合がことなります。しかし、ホームベーカリーもオーブンも全体をよく混ぜていきます。オーブンは熱風で温めているのであんこの温度が上がりにくい です。パサパサ感があったり、逆に水っぽさが合ったりした場合はそれぞれ、煮汁を足したり、あんこを足したりして調整していきます。炊飯器はメーカーによって設定されている保温温度が違います。大体6℃から75°く℃らいで設定され ているみたいなので、使うメーカーによって 水分の飛び具合いが変わってくると思い ます。水分が飛びすぎているとうまく発酵し ないのでその時は煮汁を足してあげて ください。

 ヨーグルトメーカーでは9時間後くらいをめどにして作った発酵あんこから見てみ ます。8時間前と比べると麹が溶けて しっとり感が増しました。 硬さもちょうど良さそう です。

 次はホームベーカリーで作った発酵 あんこを見ていき ます。ホームベーカリーの甘酒モードは途中 で内釜の羽が回る仕様になっているので ヨーグルトメーカーで作ったものより麹が潰れていて小豆に馴染んでいます。

 次はオーブンで作った発酵あんこ、 こちらは煮汁を足しすぎてしまったようで 少し緩めに仕上がりました。最後に塩を1つまみ入れて混ぜたら完成 です。

まとめ

 発酵の過程を経ることで麹の酵素 乳酸菌アミノ酸などの栄養素をしっかり 取ることができる発酵あんこ、腸内の善玉菌の餌になるオリゴ糖やぶどう糖ができるので腸の調子を整えてくれ ます。それに米麹が発酵させる途中で ビタミンB群を生み出していくので代謝促進にもよいの です。砂糖不使用で消化吸収も良く腸にも 嬉しい罪悪感なく食べられるスイーツですよ。

 しっかり甘いのでパンとの相性も 抜群とても美味しいです。出来上がったあんこは冷蔵保存1週間 くらいで食べ切ってください。冷蔵保存でも麹の発酵は緩く 進んでいくので発酵の酸味が出てきてしまうこともあります。ストック用に多めに作った場合は小分けにしてすぐに冷凍保存しましょう。冷凍で1ヶ月保存が可能です。

 砂糖不使用でもち米を入れてしっかり甘くする発酵あんこ、いかがだったでしょうか。優しい甘さで心も体も満たされます。とても美味しいので是非作ってみてください。