増え続ける防災グッズ情報と実際の「備え」のギャップ

「マツコの知らない世界」では最近、「今こそ備えたい防災グッズ第3弾」と題して、リュックからポータブル電源、防災食まで幅広い防災グッズが紹介され、視聴者の関心を集めました。マツコさんが驚いたり感動したりしながらグッズに触れる姿が印象的で、あの大人気番組の影響で「自分も備えなければ!」と思った人も多かったのではないでしょうか。

また、バラエティ番組「中居大悟」でも、中居正広さんと千鳥の大悟さんが防災の備えについて触れる場面がありました。SNSでも「自分も防災について考えたい」という声が広がっています。メディアの影響もあり、今、防災への意識は確実に高まっているようです。しかし、こうした関心と現実の「備え」には、まだまだギャップがあります。グッズの購入や知識を得るだけで満足するのではなく、私たちは防災を「日常の中で当たり前に備える」ようにしていく必要があるのです。


1. 防災の関心はあるけれど、準備が追いつかない日本の現状

  1. 関心は高まっているが、行動が伴っていない現実 テレビやネットで防災グッズが頻繁に取り上げられ、関心が高まっていることは確かです。しかし、「実際に準備していますか?」と問われると、多くの人が「何をどこまで揃えればよいのか分からない」「お金や時間の余裕がない」という理由で、必要な準備が追いついていないのが現実です。災害時の生存に関わるのは、グッズの数や値段ではなく「適切に備えているか」です。いくら防災用品が充実していても、実際に使える場所やタイミング、周囲の状況によって、その効果は大きく変わります。防災は一人だけの責任ではなく、社会全体で考え、協力し合うことが不可欠です。
  2. 個人だけでなく、地域や企業、教育機関も取り組むべき 防災の責任を個人にだけ任せていては、非常時の被害を防ぎきることは難しいでしょう。各家庭だけでなく、地域や企業、自治体が一体となって防災対策を進めていくことが求められています。企業での備蓄や、自治体による地域住民への防災教育の強化もその一環です。

2. 小学生にも必要な「非常用笛」|ランドセルや通学カバンに標準装備を

  1. 緊急時の居場所知らせツールとしての笛 地震や火災などの災害時、逃げ遅れた場合には、自らの居場所を周囲に知らせることが重要です。先に述べた「中居大悟」の番組ではノースフェイスが10数年前からリュックのバックル部分に標準装備しているのだそうです。このほか、コールマンなどでも同様の取り組みがなされていることがわかりました。
  2. ランドセルや通学バッグに標準装備を求める声 小さな子どもにとって、非常時に声を出して助けを呼ぶことは難しいため、こうした笛が命を守る役割を果たします。ただ、常時持ち歩くには紛失などの問題もありますね。その点。ランドセルや通学バッグに「標準装備」として普及させればいいのではないでしょうか。こういった取り組みは一社が特徴的に進めるのではなく、例えばシャンプーの蓋のギザギザの例のように全国のメーカーや教育機関が協力して、子どもたちに安全を届ける取り組みを進めるべきではないか、と私は考えます。学校やPTAといった関係者が連携し、子どもの命を守るための対策を標準化していくことが今後の課題となります。

3. 社会全体で考えるべき「防災の標準化」とそのアイディア

  1. 企業・自治体の取り組みが防災リテラシーを育む 一部の企業や自治体では、社員や市民向けに防災リュックの備蓄や家庭での備蓄を推奨し、防災意識を高めるための取り組みが進んでいます。これらの取り組みが全国に広がることで、より多くの人が「災害への備え」を日常的な習慣に取り入れるきっかけとなるでしょう。
  2. 普段使いできる防災グッズの普及 防災対策は「特別なこと」ではなく、普段からの備えとして無理なく生活に取り入れることが重要です。例えば、携帯用の簡易ラジオや蓄電機能がついた照明器具などは、災害時の備えであると同時に、普段の生活にも便利なアイテムです。これらが普及することで、非常時にも役立ち、普段使いもできる、まさに「日常の防災」が実現されるでしょう。

4. 学校での防災教育と家庭での備え|親子で話し合う重要性

  1. 防災教育の強化で災害に強い子供を育てる 学校教育や社会教育の中に防災教育を取り入れることは、子どもが小さいうちから災害に対する理解を深め、行動力を身につける重要な機会です。避難訓練や実際のサバイバルスキルを身につけさせることで、災害時にも冷静に対処できる力を育むことができます。
  2. 家族で備えについて話し合い、共通認識を持つ また、家庭内で「災害時の避難場所」や「連絡手段」について話し合うことも重要です。親子で話し合い、家族全員が防災に対する理解を深めておくことで、災害発生時の混乱を減らし、迅速に避難行動がとれるようになります。子どもたちも、「自分でできる防災行動」を持っておくと、自信にもつながります。

まとめ:防災は「個人の責任」から「社会の責任」へ|私も備えます

防災は、個人ができることも多いですが、やはり社会全体での取り組みが必要です。防災グッズの普及や意識を高めるだけでなく、地域や企業、教育機関が力を合わせて防災意識を標準化していくことで、より多くの命を守ることができます。

「自分は大丈夫」と思わず、いざというときにどう動くべきかを家族や職場で話し合い、少しずつ備えを進めていきたいものですね。テレビ番組を見て「自分も備えなきゃ」と感じた私も、さっそく身近なところから備えを進めていこうと思います。