2025年2月14日、ジャイアントパンダ・永明(えいめい)が中国・成都のジャイアントパンダ繁殖研究基地で1月25日に亡くなったことが報じられました。

 永明は1992年に北京動物園で生まれました。アドベンチャーワールドによると、94年にジャイアントパンダとしては世界で初めて、繁殖を目的とした動物の貸借制度で来日。2頭の雌のパンダとの間に16頭の子どもをもうけました。2014年と20年に飼育下で自然交配し、繁殖した世界最高齢の記録を作ったということです。ジャイアントパンダの繁殖プログラムにおける永明の貢献は大きく、彼はその遺伝子を次世代にしっかりと継承してきました。

(写真:アドベンチャーワールド)

彼の死は、多くのパンダファンにとって深い悲しみをもたらしました。

 私は昨年の12月上旬に永明が暮らしている成都の基地を訪れました。当時、永明は一般公開されていない特別なエリアに住んでおり、その姿を直接見ることはできませんでしたが、広い基地内を歩きながら「この中のどこかで永明が穏やかに暮らしているんだな」と感じたことを覚えています。そのとき、私は強く「動物は会いたいときに会いに行かないと」と思いました。それは遠く離れている親戚とも同じことであり、今、この瞬間を大切にしなければならないと痛感したのです。

 永明が帰国後、特別な場所で穏やかな日々を過ごしていたことは、私たちファンにとって安心感を与えていました。しかし、永明が最期を迎えた今、その姿をもう一度見ることはできないと思うと、言葉にできないほどの寂しさとともに、複雑な気持ちも湧き上がってきます。もしアドベンチャーワールドに永明が残っていたら、スタッフが彼の最期を看取ることになっていたのでしょう。それはきっと、スタッフにとっても辛い出来事であったに違いありません。

2024年3月31日には、神戸の王子動物園で雌のジャイアントパンダ タンタンも23歳と8か月で他界しました。相次いだ動物たちの死は、私たちに「命は永遠ではない」ことを改めて思い知らせてくれました。永明の訃報を聞いたとき、そのことを深く実感しました。動物たちの命もまた有限であることを、私たちはしっかりと受け止め、残された時間を大切にすることが求められているのだと感じます。

永明の死は私たちにとって大きな喪失ですが、彼が残したものは計り知れません。16頭の子供たちやその子ども、そして彼が多くの人々に与えてくれた喜びと希望は、これからもずっと続いていきます。永明の存在は、単に一つの命を超えた大きな影響を与えました。彼が生きた証は、今でも私たちの心に強く刻まれています。

永明を惜しむ声は今も多方面から届けられています。彼が16頭のパパとなり、数々の命をつなげてきたこと、なにより、観覧に訪れる私たちに大きな癒しをくれたことは、今後も語り継がれるべき素晴らしい業績です。私たちは永明を決して忘れることはありません。彼のことは永遠に心に刻まれ、それは今でも明るく輝き続けています。

お疲れ様でした、永明。あなたの存在は私たちの心の中で、これからもずっと生き続けます。あなたが残したものは、未来のパンダたちに希望を与え、命の大切さを教え続けていくでしょう。