地域の文化祭の企画で「eスポーツ」の体験会を企画しています。しかし、従来の運営メンバーにこの取り組みを理解していただくのは実は大変です。「eスポーツはそもそも文化なの?」というわけです。単なる子どもの「遊び」と捉えられているようです。そこで、高齢世代にeスポーツへの理解を促すための、文化祭にeスポーツを取り入れるプレゼンを考えてみました。
文化という言葉には多様な側面が含まれ、一般的に以下のように定義されます。
文化とは、ある社会や集団が共有する価値観や行動様式、習慣、芸術、知識などの集合体であり、世代を超えて受け継がれていくものです。文化は生活様式や趣味嗜好を形成し、共通の体験や認識をもたらす力を持っています。
1. eスポーツは現代の「デジタル文化」の一部
- 価値観や行動様式の共有:eスポーツには、現代の若い世代が持つ価値観(オンラインでの交流、技術発展への好奇心、協力プレイの精神)が強く反映されています。これらは、以前の世代にとっては新しいものですが、現代の若者の「文化」として根付いており、国際的にも成長している「デジタル文化」の一部です。※「デジタル文化」とは、デジタル技術が社会に浸透することによって、それまでに考えられなかった行動様式と生活様式が創られることである(文部科学省HPより)
- eスポーツは若者が日常的に接する活動であり、その中でのルールやマナー、競争心、協力意識といった行動様式が形作られているため、「現代の生活文化」として認識されています。
2. 文化祭の目的に照らしたeスポーツの意義
- 地域の人々に新しい価値観を共有する場としての文化祭の意義に、eスポーツはぴったりです。文化祭は伝統的に、さまざまな世代が自分たちの活動や興味を紹介し、共有する場所であり、eスポーツは若い世代の文化を地域に発信する絶好の手段です。
- 具体的には、eスポーツの楽しみ方やそこにある価値を知ってもらうことで「新しい文化との出会い」を生むことができ、文化祭本来の役割である**「世代を超えた文化の橋渡し」**にも繋がります。
3. eスポーツの「社会文化的な役割」を強調する
- 教育的な側面:eスポーツは単なる娯楽ではなく、集中力や判断力、迅速な反応を要求し、対戦相手や仲間との連携も必要とする活動です。したがって、eスポーツは若い世代が「自己成長や学び」を得られる場とも言えます。これは、囲碁や将棋と同じように、社会的な文化活動の一つとして理解されるべき要素です。
- 国際的な交流:eスポーツはグローバルな競技としても発展しており、国際的に通用する文化的な要素があります。若い世代にとって、海外の友人や選手と交流できる場でもあり、地域を超えた文化的な共有体験が得られるため、地域に新しい視点や活気をもたらす可能性も高いです。
4. 「文化は変化し、受け継がれていくもの」としての理解を促す
- 伝統的な文化も、かつては「新しいもの」だったという視点を共有しましょう。例えば、日本で広く愛される「茶道」や「華道」も、当初は日常生活の延長から始まりました。eスポーツも、「デジタル世代」の日常生活の延長であり、そこから若者が興味を持って取り組んでいるのは自然な流れです。
- こうした新しい文化を受け入れることが、今後の地域社会にとっても重要であると説明することで、高齢の方々にも「時代とともに文化は進化する」という理解を得やすくなります。
5. 体験の場としての「文化」としてのeスポーツ
- eスポーツは「体験することで共有できる文化」です。地域の人々にとっても、eスポーツ体験会は新しい文化に触れる「場」として捉えられると理解が進むでしょう。
- 実際のeスポーツを体験し、若い世代と直接交流することで、異なる世代間の理解が深まり、「地域文化としての共感の場」を生むことが可能です。特に世代を超えた新しい体験が共感を生むため、イベントでの成功体験が「eスポーツも地域の一部」としての認識を高めるきっかけにもなります。
まとめ
eスポーツを文化の一環として認識するためには、「価値観や行動様式の共有」「教育的な役割」「新たな文化の受け入れ」「体験を通じた共感」という4つの柱で説明すると効果的です。こうした説明をすることで、地域の高齢層に対してもeスポーツが「新しい時代の文化」として価値があることを伝えられるでしょう。