6月の暑い時期でも食品衛生上心配の少ない子ども食堂のメニューを3つ考えて教えてほしいと頼まれました。最近は、子ども食堂といいながら大人も受け入れ、その場合1人100円程度いただきますが、ほとんど材料費にもなりません(持ち出しは承知の上です)。ただ、あまり豪華なものを作ると食べ物の価値を壊してしまうので、そこは適正なものをつくるのが妥当ですよね。というわけで、ひょんなことから関わることになったボランティアの一人としてメニューをまとめてみました。

目次

子ども食堂における食品衛生

食品を第3者に提供する場合、厳格な規定があります。ただ、子ども食堂については、その理念や発足経緯から多少緩和されているようです。ただ、良かれと思ってやったことが仇にならないよう、注意しなければならないのは同じです。

厚生労働省のHPには遵守事項がきちんと書かれていました。

少人数で短時間を目指して

前日調理など衛生面で避けなければならない以上、限られた時間とスタッフで6月の暑い時期でも安心して提供でき、かつコストを抑えられる子ども食堂のメニューを考えてみました。衛生面に配慮しつつ、季節感や子どもたちの食べやすさも意識しています。


🍚1.冷やしうどんセット(コーンかき揚げ・きゅうりの浅漬け付き)

内容:

  • 冷やしうどん(めんつゆ+少し甘い出汁風味)
  • コーンのかき揚げ(冷めても甘みがあって人気)
  • きゅうりの浅漬け(塩+酢でさっぱり)

ポイント:
・火を使うのはうどん茹でとかき揚げのみで、短時間調理。
・かき揚げは業務スーパーなどの冷凍野菜ミックスやコーン缶でも可。
・きゅうりの浅漬けは前日に仕込んでおける。


🍛2.夏野菜のドライカレー+冷たい豆腐サラダ

内容:

  • 夏野菜入りドライカレー(ナス、ピーマン、にんじんなど)
  • 冷奴風サラダ(豆腐+ポン酢+かつお節 or コーン+マヨ)

ポイント:
・ドライカレーは冷ましてもおいしく、傷みにくい。
・豆腐は開封後すぐ出せば衛生的。


🥔3.じゃがいもとツナのそぼろ丼+具だくさん味噌汁

内容:

  • じゃがいもとツナの甘辛そぼろ丼(少しとろみをつけると食べやすい)
  • 豆腐・わかめ・野菜の具だくさん味噌汁(汁物は塩分&水分補給にも)

ポイント:
・じゃがいも+ツナはコスパ抜群。
・味噌汁は出汁をしっかり効かせて薄味に。
・味噌は腐敗しにくく、温かくても冷ましても提供しやすい。

さらに時短を目指したメニュー

その場でスムーズに調理できる子ども向けメニューを3つご提案します。


🍜1.焼きそばランチセット

内容:

  • ソース焼きそば(キャベツ、にんじん、豚こま or ウィンナー)
  • 冷やしトマト or カップコーン(缶詰や冷凍でOK)
  • みかんゼリー(市販)

時短ポイント:

  • 野菜はカット済みミックス野菜を活用。
  • 焼きそばは鉄板や大鍋で一気に大量調理可。
  • ゼリーは市販で盛り付けるだけ。

🍚2.おにぎり&具だくさんスープセット

内容:

  • おにぎり(ふりかけ/鮭/ツナマヨなど)※成形はビニール手袋で素早く!
  • 野菜たっぷりスープ(ウィンナー、じゃがいも、玉ねぎ、にんじん)
  • 冷凍枝豆(自然解凍でもOK)

時短ポイント:

  • おにぎりはご飯を炊いてすぐに成形&保温。
  • スープは大鍋一つで煮るだけ。
  • 枝豆はゆでる or 自然解凍で即配膳可能。

🍛3.ワンプレート風チキンライスプレート

内容:

  • チキンライス(ケチャップ味で子どもに人気)
  • スクランブルエッグ(業務用液卵なら時短!)
  • ミニサラダ(カット野菜+ドレッシング)

時短ポイント:

  • チキンライスは炊飯器で一気に作る or フライパンで手早く調理。
  • スクランブルエッグは炒めるだけ・ふんわりでOK。
  • サラダは袋入りカット野菜を使ってボウルに盛るだけ。

💡共通の工夫ポイント:

  • 火を使う工程と“冷たい副菜”を分担して同時進行。
  • 配膳トレイを使うと盛りつけやすく、スタッフの負担も軽減。
  • 仕上げに子どもたちにウケる“プチお菓子”をつけるのも◎(個包装のラムネやゼリーなど)

大人も満足!こんなメニューも

これらを踏まえて、野菜の下処理が最小限でも栄養バランス&満足感をキープできるメニューをさらにご提案します。冷凍・加工済み・缶詰などを上手く活用しますね。


🥫1.缶詰と冷凍野菜で作る「カレーうどん定食」

内容:

  • カレーうどん(冷凍うどん+ツナ缶+冷凍野菜ミックス+カレールウ)
  • バナナ or カップフルーツ
  • 小さめおにぎり(希望者のみ)

ポイント:

  • 冷凍野菜ミックス(にんじん・玉ねぎ・じゃがいも入りなど)は下処理不要。
  • ツナ缶でタンパク質もOK。
  • 麺は冷凍うどんなので手間少&食べ応えあり。
  • 果物系はそのまま出せるバナナやカップフルーツ(缶詰)で時短。

🍳2.ハムエッグ丼+味噌汁セット(大人も満足!)

内容:

  • ごはん+ハムエッグ(もしくは目玉焼き+ハム)
  • 味噌汁(豆腐・乾燥わかめ・ねぎ)
  • 冷凍ブロッコリー(塩ゆで or マヨ添え)

ポイント:

  • 卵は焼くだけ。目玉焼きなら見た目もGOOD。
  • 味噌汁は乾物&豆腐で包丁いらず。
  • ブロッコリーは冷凍で、ゆでて盛るだけ。
  • 大人には目玉焼きをダブルにしても◎

🍛3.ホットドッグプレート+スープ

内容:

  • ホットドッグ(ロールパン+ウィンナー+ケチャップ/キャベツは業務カット or 無し)
  • ポテトスープ(業務用の粉末スープを活用)
  • カットフルーツ or 個包装ゼリー

ポイント:

  • ホットドッグは一人ずつ手軽に仕上げやすい。
  • スープは牛乳やお湯を加えるだけの業務用粉末を使うと超時短。
  • カットフルーツ(りんご・オレンジ)を袋詰でいただけると衛生的。

✨補足の工夫アイディア


包丁ほぼ使わない・30食対応・調理者3人・衛生重視・時短」を前提に、メニュー例としてこちらを使って作業分担表とタイムラインを作成します👇


🍛モデルメニュー:

ハムエッグ丼セット(包丁なしVer)

  • ごはん(炊飯器)
  • ハムエッグ(フライパンで焼く)
  • 味噌汁(乾燥わかめ+豆腐+ねぎ)
  • 冷凍ブロッコリー(塩ゆで or マヨ添え)
  • 個包装ゼリー(おまけ)

⏱️タイムライン(目安:開始から1時間半で配膳完了)

時間帯作業内容担当
9:00【炊飯開始】(30人分)5合×3釜が目安A
9:00【味噌汁準備】鍋に湯を沸かす→乾燥具材&豆腐投入B
9:00【ブロッコリー準備】冷凍ブロッコリーを鍋でゆでるC
9:20【味噌汁仕上げ】味噌を溶かす・火を止めるB
9:30【ブロッコリー盛りつけ】小皿に分ける(冷ます)C
9:30【ハムエッグ調理スタート】フライパン2つで交互に焼くA+B(補助)
10:15【ごはん盛りつけ】どんぶりにごはんをよそうC
10:30【ハムエッグのせ】ごはんの上にハムエッグを盛るA
10:40【全体盛りつけ確認】味噌汁・副菜・ゼリーを並べるA・B・C
10:50【配膳準備・チェック】三点セット確認、配膳開始全員
11:00提供スタート🎉

🧑‍🍳作業分担表(役割の入れ替えあり)

担当者主な作業内容
A炊飯準備、ハムエッグ調理、盛り付け
B味噌汁全般(具材、味噌)、ハムエッグ補助、配膳準備
C冷凍野菜ゆで・盛付、ごはんよそい、配膳準備

🛠️使用する主な食材と調味料(全て包丁不要)

  • ハム(スライス済)
  • 卵(割るだけ)
  • 冷凍ブロッコリー(ゆでるだけ)
  • 木綿豆腐(手でくずしてOK)
  • 乾燥わかめ・乾燥ねぎ
  • ゼリー(個包装)
  • 米(炊飯)
  • 味噌・顆粒だし・塩

🍳運営上のポイント

  • ハムエッグは焼き置きせず、食べる直前に焼くのが◎(衛生面+見た目)
  • 副菜(ブロッコリー)は冷やしておくと安全+色もきれい
  • 個包装ゼリーは子どもも喜び、盛り付けも早くて楽
  • ごはんは丼スタイルにして盛りやすく時短化


🍳【オーブン&電気ポット活用版】包丁なし・30食・3人対応のメニュー案

🍞メニュー:

オーブン焼きチーズトーストセット

  • チーズトースト(食パン+ピザ用チーズ+ケチャップ)
  • カップスープ(電気ポットでお湯注ぐだけ)
  • カットフルーツ or ゼリー(個包装)

⏱️タイムライン(焼き時間を活かして分担)

時間帯作業内容担当
9:00【食パン準備】パンにケチャップ・チーズをのせるA+B
9:20【オーブン第1弾焼成】(20枚ずつ2段で焼けると効率◎)C
9:20【カップスープ準備】紙コップに粉スープ入れる(お湯は後)B
9:30【トースト第2弾】焼き上がり→次のセット投入A
9:45【スープにお湯注ぐ】電気ポットで安全&衛生的B+C
9:50【配膳セット】トースト+スープ+フルーツ/ゼリー全員
10:00提供スタート✨

🧑‍🍳作業分担表(オーブン活用時)

担当者主な作業内容
Aトースト準備&盛り付け
Bスープ準備・カップ配置・給湯
Cオーブン管理・焼き上がりチェック・配膳補助

🍽️ポイントと工夫

  • パンは業務スーパーの「8枚切り or 6枚切り食パン」がおすすめ
  • ケチャップは業務用のチューブタイプで時短・コスパ◎
  • スープは粉末コーンポタージュや中華スープなど、フレーバーを変えると飽きにくい
  • オーブンは一度に焼ける枚数を確認して、数回に分けるのがコツ

✅このメニューの利点

  • ✅ 包丁ゼロ
  • ✅ 揚げ物なし(油使わない)
  • ✅ オーブンと電気ポットが主力で、コンロをほぼ使わない
  • ✅ 清掃も最小限ですむ
  • ✅ 小学生〜高齢者まで満足されやすい味&見た目

包丁ほぼ使わないオーブン使用おやつ

包丁ほぼ使わない・30食分・オーブン使用・子どもも大人も喜ぶ」をテーマにしたおやつレシピを2種類ご紹介します🍎🍌
どちらも低コストで、準備〜焼き上げまで1時間以内に可能です!


🍌① バナナヨーグルトケーキ(しっとり食感・オイル控えめ)

🍴材料(約30食分・一口サイズカット)

  • ホットケーキミックス:600g(200g×3袋)
  • バナナ:6本(完熟がベスト。手でつぶせば包丁不要)
  • プレーンヨーグルト:400g(1パック)
  • 砂糖:大さじ6〜8(バナナの甘さにより調整)
  • 卵:3個
  • サラダ油:大さじ4
  • ベーキングパウダー(あれば):小さじ1(ふくらみアップ)

🛠作り方

  1. ボウルにバナナを手でつぶして入れる。
  2. 卵、ヨーグルト、砂糖、油を加えてよく混ぜる。
  3. ホットケーキミックスを加えてざっくり混ぜる。
  4. クッキングシートを敷いた天板 or パウンド型に流し入れる。
  5. 180℃のオーブンで約25〜30分焼く。
  6. 冷めたら一口サイズにカットし、紙ナプキンやカップに入れて提供✨

🍎② りんごと食パンのシュガートースト(安価・映え系)

🍴材料(約30食分)

  • 食パン:6枚切×10枚(1枚を6分割で30人分)
  • りんごジャム or りんご缶(カット済):300〜400g
  • バター or マーガリン:100g
  • 砂糖:大さじ4(好みで)
  • シナモンパウダー(あれば):少々

🛠作り方

  1. 食パンをキッチンばさみで6等分(もしくはちぎる)
  2. ジャム or りんご缶をのせ、バターと砂糖を軽くかける
  3. オーブンで180℃で10分程度焼くだけ
  4. シナモンをふって完成🍎

👉【ポイント】:食パンにトッピングして焼くだけで、華やかで手間なく作れるデザートになります!


✅どちらも共通の良いところ

  • 包丁いらず(バナナは手でOK、パンははさみや手)
  • オーブンで一気に調理できる
  • 子どもも高齢者も食べやすいやわらか系
  • 材料は業務スーパー等で安価に手に入る
  • 甘さ調整がしやすく、アレルギー対応もしやすい(卵なしVerも可)

📄ダウンロードはこちらから:
👉 こども食堂_おやつレシピカード.docx

まとめ

いかがですか?夏は子ども会などの行事で料理をする機会などもありますので参考にしてみてください。