わくわくとは違う心のごちそう
これまでに5回、万博に足を運びました。
最初は「これも見たい、あれも体験したい!」と欲張りモード全開。とにかく目に入るものすべてが新鮮で、まさに“初体験”の連続でした。でも、回を重ねるごとに、少しずつ“自分なりの楽しみ方”が見えてきたように思います。
のんびり、気ままに——ノープラン日帰り万博
昨日は日帰りでの訪問。
朝9時、10時の開場はすでに満員で、11時に入場して20時すこし前までの滞在になりました。
今回の目的はひとつだけ——「シャインハット」のインスタレーションを見ること。それ以外は、完全ノープラン&予約なしで、気の向くままに会場を歩くスタイルにしてみました。
立ち寄ったのは、
- ポルトガル館
- 大阪ヘルスケアパビリオン(予約なしでも可能エリア)
- パソナ館(予約なしでも並べば入れる)
- コモンズC
いずれも、「今なら入りやすそう」と感じたときにふらっと入った場所です。
予定がないからこそ、味わえる“贅沢な時間”
何よりよかったのは、「次に行く場所」が決まっていないこと。
そのおかげで、展示をじっくりと自分のペースで見ることができました。
気になったところでは立ち止まり、心が動いた展示には時間をかけてじっくり味わう——そんな贅沢な“余白”のある時間が流れていたのです。
さらに偶然にも、大阪ヘルスケアパビリオンとパソナ館で共通するテーマの展示に出会い、思わぬ形で深く考えるきっかけにもなりました。こうした“偶然の重なり”も、ノープラン行動ならではの醍醐味かもしれません。
偶然出会った「ミニ四駆」の熱気
当日はイベントスペースでミニ四駆の大会が開催されており、ふと立ち寄ってみました。
私はミニ四駆に全く詳しくないのですが、会場には熱心なファンから子どもたちまで幅広い層が集まり、その熱気に圧倒されました。
しかも、ものづくりの町・東大阪市の市長さんも来場されていて、大会の本気度が伝わり、万博が地域経済の発信の場にもなっているということを肌で感じる瞬間でもありました。
「マスト」がない、自由な楽しみ方
大屋根リングの外にある施設もたくさんチェックできて、ビュッフェスタイルのレストランやイベントホール、アリーナなども確認できました。
このように、誰にも合わせず、自分の感覚に従って行動できる。目の前の出来事に柔らかく、でも研ぎ澄まされた感性で向き合える。
そんな過ごし方ができたことが、今回一番の収穫だったように思います。
“流れに身を任せる万博”という選択
今回の訪問では、花火やドローンショーは見ていません。以前に見たことがあるし、その時間まで滞在していると日帰りは大変むずかしいので今回はなし。
強がりではなく、「あれを見なきゃ」「ここに行かなきゃ」がないことが、とても心地よく、新鮮に感じられたのです。それに、まだ激混み時間帯ではないので、スムーズに退場もできました。一人での訪問だったこともあり、帰りの電車さえ押さえておけば、あとはすべて自由。
こんなにも身軽で、心がほぐれる万博の楽しみ方があったんだ——そう気づかされた一日でした。
これから万博に行く方、特に2回目・3回目の方にこそおすすめしたいのは、**「ちょっと肩の力を抜いてみること」**です。
もちろん、しっかり計画を立てて回るのもよいですが、あえて“流れに身を任せてみる”と、思いがけない発見や出会いが待っているかもしれません。
そういえば、通りすがりの小学生らしき子どもが「初めて来たときみたいなわくわく感はないけど・・・」と言いながら、落ち着いた足取りで大屋根リングに向かっていく様子を見かけました。
きっと、結果として、そのこどもなりに「今日」「いま」「ここ」を楽しんでいたと思います。
万博は、回数を重ねることで見えてくる魅力がある——
そんなことを実感した、夏の一日でした。