☕ 【福井・三国】海を望む築120年の名家で迎える朝。「LULL(ラル)」が奏でる、静かで優雅な時間

グルメ

I. 序章:日常から「凪(LULL)」への誘い

生まれも育ちも福井県の私にとって、福井の日常はすでに身近なものです。しかし、時には県外の旅先で感じるような、心が洗われる**「非日常」**を求めたくなることがあります。

先日、そんな気持ちで訪れたのが、坂井市三国町にあるデスティネーションレストラン「LULL(ラル)」です。

LULLとは、英語で**「凪(なぎ)」**を意味します。それは、風がやみ、波が穏やかになる静寂の時。この海辺の地で迎える朝の時間は、まさに日常の喧騒から切り離された、静かで優雅なひとときでした。

II. 建物が語る「三国の歴史と物語」

LULLの最大の魅力は、その料理やサービス以前に、建物自体が持つ物語にあります。

この建物は、世界的指揮者である小松長生氏のご実家であり、かつて北前船交易で栄えた三国湊の網元(船主)として名を馳せた築120年の名家です。宮大工が5年もの歳月をかけて建設したという重厚な造りが、今も往時の繁栄を伝えています。

海を望む高台に位置するLULLへと向かうには、少し長めの階段を上る必要があります。この階段を上っていく行為そのものが、日常から特別な空間へと入っていく「儀式」のように感じられます。

貴重な「笏谷石」が迎える玄関

階段を上り、重厚な玄関に近づくと、その足元には**「笏谷石(しゃくだにいし)」**が使われていることに気づきます。これは、かつて福井市内の足羽山で採掘され、福井城の石垣にも使われた、地元福井にとって非常に重要な石材です。現在では採掘がストップしているため、この玄関の石一つをとっても、この建物がいかに貴重な、歴史的な価値を持つ名家であったかを静かに物語っています。

III. 海と歴史を再解釈したモーニングの体験

開放的な窓からは、雄大な日本海が一望できます。この景色を独り占めできる空間でいただいたのが、LULLのモーニングです。こちらはHPには記載がなく、私はインスタグラムで偶然見つけました。

この日のモーニングは、クロックムッシュ、スムージー、スープ、そしてサラダ、紅茶という構成でした。

  • 料理の質と量: がっつりと朝食を求める方には少し物足りないかもしれませんが、私たちのように「空間と体験を味わいたい」女性二人組や、ご家族連れにはちょうど良い、質の高い優雅な量です。
  • 非日常の演出とサービス: 特に印象的だったのは、その細やかで丁寧なサービスです。サラダは、目の前で最後の盛り付けやアレンジを加えて提供してくださいます。料理だけでなく、一挙手一投足が計算された非日常の演出であり、特別な空間に来たという満足感を高めてくれました。

IV. まとめ:価格以上の価値と、共有する喜び

さて、このモーニングは決して安価ではありません。中高年の感覚からすれば、朝食としては「高い」と感じる方もいらっしゃるでしょう。

しかし、LULLの3,500円という価格は、単なる食事代ではなく、**「築120年の歴史的空間」「海を一望する絶景」「心を満たす上質な時間とサービス」**に対する投資です。

私たちは、日常の喧騒から離れ、歴史と文化に触れながらゆったりと過ごす**「時間と空間の価値」**に、対価を支払うことを選びました。この感覚こそが、LULLの本当の魅力だと思います。

そして、この価値観を共有し、一緒にこの豊かな時間を過ごせる友人がいること。それが私にとっては何物にも代えがたい財産です。

今、福井はカニのシーズンで、越前海岸界隈は特に賑わっています。豪華なカニ料理を堪能した翌朝の優雅な時間を過ごす場所として、あるいは大切な方との特別なひとときのために、LULLを訪れてみてはいかがでしょうか。地元の歴史を愛する一人として、自信を持っておすすめします。


[店舗情報]

  • 店名: LULL(ラル)
  • 場所:福井県坂井市三国町崎31-25 31-25  Mikunicho saki, Sakai City, Fukui Prefecture
  • 営業時間・定休日:木曜および第2水曜定休
    Closed on Thursdays and Second Wednesdays (モーニングの提供時間は8時から)
  • アクセス: 駐車場有7台。満車の際は提携駐車場利用

  LULLのインスタグラムはこちらです

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