電話での説明のむずかしさ
最近、ある中高年の方から「このサイトをデスクトップに出しておきたいんだけど、どうすればいい?」と電話がありました。
よくある相談の一つですが、これが電話越しになると一気に難易度が上がります。
その理由はとてもシンプルで、
相手と自分が見ている画面がまったく違うからです。
私は日ごろ Google Chrome でブックマーク管理をしているのですが、相手の方はどうも Microsoft Edge の“お気に入り”派。
しかも Chrome と Edge の違いは、慣れていない人にはわかりづらく、
「Chrome の“縦に3つの点”と、Edge の“横に3つの点”」と説明しても、ほとんど伝わりません。
■電話説明が難しくなる理由①:画面の前提が合わせられない
対面なら「ここを押してください」と指で示せますが、電話ではそうはいきません。
- 今ブラウザを開いているのか
- デスクトップにいるのか
- Edge なのか Chrome なのか
たったこれだけの違いで、説明が完全に行き詰まります。
■電話説明が難しくなる理由②:ブラウザの特徴を相手が理解していない
Chrome は便利ですが、インストールや初期設定が必要で、Gmail アカウントのログインを求められることもあります。
一方 Edge は、Windows に最初から入っているので、すぐに使えます。
しかし多くの中高年の方は、
「ブラウザ」=「インターネットが開くアプリ」
程度の認識。
Chrome と Edge の違いは、ほぼ気にしていません。
■電話説明が難しくなる理由③:操作の“意味”より“形”で覚えている
高齢の方の多くは、手順を
「ここを押して、次にこれを押す」
と“手順の並び”で覚えています。
理由を理解しているわけではないので、ひとつ手順が変わると途端に迷子になります。
だからこそ、Chrome で覚えていた人が Edge を使うと、
「いつもの“丸いマーク”がない!」
と混乱してしまうのです。
■では、どう説明すればいいのか?
いろいろ試した結果、電話越しでは以下の方法がもっとも確実でした。
●1)ブラウザ名ではなく、アイコンで確認する
「青い波みたいな“e”のマークを押してください」
→ Edge の説明が一発で通じます
●2)お気に入りは“星マーク”を探してもらう
「右上に星の形がありますか?」
→ 点が何個並んでいるかの説明は不要
●3)ショートカットは“アドレスバーをドラッグ”で統一
Chrome と Edge の違いを気にしなくてよい、万能の説明方法です。
「上の“https…”と書いてある細長いところを、一度クリック
→ 青くなる
→ そのままデスクトップへ引っぱる」
これで大抵は通じます。
■デスクトップに置きすぎ問題へのひと言
デスクトップがアイコンだらけになると、パソコンの動作よりも
“本人が目的のアイコンを見つけられなくなる”方が重大です。
私はいつも
「玄関に物を置きすぎると、探すのが大変ですよ」
と伝えています。
お気に入りやブックマークに入れておく方が、後で迷いません。
■中高年のパソコンサポートは“共通の困りごと”
こうした“電話でのパソコン説明の難しさ”は、多くの家庭で起きています。
特に高齢者は、画面の構造や設定より、「いつもの形」で覚えていることが多いため、説明する側が“寄せてあげる工夫”が必要。
自分は Chrome 派でも、サポートは Edge 基準で説明する――
この割り切りをするだけで、電話越しの混乱がかなり減りました。
■まとめ
高齢の方にパソコン操作を電話で説明するのは難しいですが、
原因は“理解力”ではなく、
画面の構造が根本的に見えていないことにあります。
- アイコンで説明する
- 星マークを探してもらう
- アドレスバーをドラッグでショートカット
- デスクトップには置きすぎない
この4つだけでも、ずいぶん話がスムーズになりました。
同じように困っている方の参考になれば幸いです。

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