最近、「コノジナガヤ」に新しくオープンしたBARに探検気分で行ってきました。実はこの店、かつて歓楽街で知られた「夜パフェ」のお店だったことをうっすら覚えていました。当時は喫茶店的な要素が強かったのですが、エリア全体の再開発や新幹線開業を機に、一気に「おしゃれ空間」へ舵を切ったようです。

店内は長いカウンターが2本、テーブル席も少しあり、内装は黒に近いグレイ、椅子は深いエンジ、緑や大きなガラス面がアクセント。カウンターには洋酒の瓶が装飾も兼ねてずらりと並び、目にも楽しい空間です。通りから見えやすく、広さもあるため、常連でなくても入りやすい印象を受けました。座り心地の良い椅子に腰を下ろすと、静かに時間と空間を楽しめます。

この日はパフェ(1,800円)とナポリタン(1,500円)を注文。パフェはベリー、チョコ、バナナ、生クリーム、大きめのビスケット、香草、シリアルが層になった華やかな見た目で、写真映えは抜群。味は素材ごとの個性を楽しむタイプで、ハーモニーより“にぎやかなアンサンブル”という印象でした。ナポリタンも懐かしい味わいでほっとします。

中高年目線で見れば、このエリアは明らかに観光客向け。古い店舗は軒並み再開発で姿を消し、歓楽街から名うての割烹も移転してきています。本気で食の街として集約していることが伝わり、店側も「客足が歓楽街まで伸びるのを待つより、前面に押し出す」という戦略が見て取れます。

街の風景を眺めていると、富裕層の高齢者向けマンションが多く建っていることにも気づきます。家族も「こんなところに住めたらいいなあ」といつも見ています。図書館や駅が近いのはうらやましいですが、買い物の利便性や家族の帰省の受け入れ、収入やたくわえを考えると、今の自宅で十分だと感じます。結局、自家用車なしでは暮らせない現実もあります。

地元民としては、チャージや駐車料金を払ってまで行くかといわれると少しハードルが高めです。しかし傍観しているだけでは、街の変化や新しい空間の楽しみは味わえません。帰りに駅近くのフードコートに立ち寄ると、若い人や観光客でにぎわい、「やっぱりこういう場所で食べるよね」と納得。旅行者だけでなく、変わりゆく地元も同時に体験して楽しもう、という好奇心は大切にしたいと思いました。

たまにはお気に入りの服を着て、未知の空間を開拓する探検気分。歓楽街から進化した空間で過ごす夜は、中高年にとっても新鮮で、ちょっとした冒険になるのです。

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