京都の沿岸部にある天橋立のような「美しい景色を静かに眺める旅」も素敵ですが、お隣の福井・嶺南エリアは少し趣が違います。
ここにあるのは、温泉、宿泊、そして最新のライフスタイル発信地。道の駅や施設を自分らしく「使い倒す」ことで、心身をリセットし、活力をチャージする滞在型の旅が叶います。今回は、わざわざ足を運ぶ価値のある、嶺南の「寄り道スポット」をご紹介します。
「眺める旅」から「体験する旅」へ:進化する道の駅
嶺南のドライブを豊かにするのは、全国的にも珍しい高機能な道の駅の存在です。
温泉で心身を整える「道の駅 シーサイド高浜」
ここは、道の駅でありながら本格的な温泉施設を併設しています。 長時間のドライブで強張った体を、海の気配を感じながら湯船で解きほぐす。宿泊施設も整っているため、「今日はここでゆっくりしよう」と予定を変更してしまいたくなるほどの心地よさがあります。
時代の先端を歩く「SEE SEA PARK(シーシーパーク)」
2022年に誕生したこの施設は、従来の道の駅のイメージを鮮やかに塗り替えてくれました。 モダンな建築の中には、お洒落なカフェやクリエイティブなショップ、さらにはシェアオフィスまで。地元の若いエネルギーと大人の落ち着きが同居するこの場所は、ただそこに身を置くだけで、自分の中の感性がアップデートされるような「新しい風」を感じさせてくれます。
100年の時を紡ぐ、潔き伝統の味
新しい施設に刺激を受けた後は、この地で長く愛されてきた「変わらない味」を訪ねます。
大正から続く香り「源六餅(げんろくもち)」
大正時代から100年あまり。たった一種類のお餅を守り続けているという事実に、背筋が伸びる思いがします。 甘すぎず、口の中にふわりと広がるニッキ(昔懐かしい「にっき」ですね)の香りは、大人になった今だからこそ、その真価がわかる上品な味わい。よもぎや、春を感じさせる桜色(着色)もあり、その潔い手仕事に、長く愛されるものの理由を見た気がしました。
迷いながら辿り着く、隠れた名店「ぽっぽふじわら」
次に向かったのは、細い川沿いの道を進んだ先にある「ぽっぽふじわら」。 個性的な看板に誘われて店内に入ると、目の前にはボリュームたっぷりのロールケーキが並びます。
「少し大きいかしら?」と思いながら、一番お手頃な「バナナロール」を買い求めましたが、その考えは一口で覆されました。驚くほど軽やかな口当たりで、気がつけばペロリ。地方発送もされているとのことですが、あの「隠れ家のような場所に辿り着いた達成感」と一緒に味わうのが、何よりのスパイスかもしれません。
「わかりにくい場所」にある宝物を探しに
カーナビに頼っても少し迷ってしまうような、細い道の先にある名店。 そこを訪ねる時間は、誰かに用意されたルートではなく、自分だけの「特別な地図」を一つひとつ埋めていくようなワクワク感を与えてくれます。
効率だけを求める日常から離れ、あえて手間暇をかけて美味しいものや心地よい場所を探しに行く。そんな贅沢な時間の使い方ができるのも、人生の経験を重ねてきた私たち世代の特権ではないでしょうか。
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