前回の記事では、2026年から本格化した中国入国カードの電子申請手順や、「過去2年間の渡航歴欄が廃止されたらしい」という事前情報についてお伝えしました。
「本当にあの面倒な渡航歴を書かなくていいのか?」「事前にQRコードを出しておけばスムーズに入国できるのか?」
今回は、実際に中国(大連)を訪問して判明した「電子申告のリアルな答え合わせ」をお届けします。結論から申し上げると、懸念していた渡航歴は本当に不要で大改善されていた一方、現地空港の端末で新たな「入力の罠」に直面することになりました。
結論:渡航歴の記入は「完全に不要」!ただし事前QR取得だけでは完結しない
まず、今回の現地検証で得られた二大結論からお伝えします。
- 「過去2年間の渡航歴」は事前申請・現地端末ともに一切入力不要(大改善)
- 事前QRコード取得後も、現地空港の「専用端末」で追加の住所入力が必須
古いパスポートを引っ張り出したり、過去の出入国スタンプの日付を記憶に頼って遡ったりするストレスから完全に解放された点は、過去の中国渡航経験者にとっても絶大な改善点と言えます。
しかし、「事前QRコードを用意しておけばらくらく」になったわけではなく、現地で専用端末を操作するステップが存在します。
大連空港での到着から入国手続きまでの実際の流れ
空港に到着してから入国審査に至るまでのリアルなプロセスは、以下の通りでした。
機内で配られるのは「案内用QRコードが書かれた紙」
機内で配布されるのは、従来の薄黄色い「紙の入国カード」ではなく、中国政府が発行したB6サイズほどの案内用紙(QRコード掲載)です。機内Wi-Fiがない環境ではその場での申請が難しいため、基本的には空港到着後の対応となります。
従来の紙カードは撤去され「専用端末」へ案内される
到着ロビーに進むと、かつて設置されていた手書き用の紙カードや記入台は一切存在しませんでした。代わりに専用の電子端末が整然と並べられています。
日本語対応の端末で事前に取得したQRコードを読み込ませる
端末の画面で様々な言語が用意され「日本語」も選択できるため、操作の言語的なハードルは低く設定されています。事前取得しておいたQRコードをかざし、パスポートを所定の位置にセットして手続きを進めます。
一番の難所:渡航歴が消えた代わりに見舞われた「住所入力の罠」
「渡航歴の質問が消えて楽になった」と安心したのも束の間、この専用端末の操作中に最大の難所が訪れました。
事前申請の質問項目が減った分、現地の端末で入力しなければならない情報(特に滞在先住所)の手間が増加していたのです。
滞在先住所は「英語またはピンイン(アルファベット)」限定
端末の住所入力画面では、日本語の漢字や中国語の漢字を直接入力することができません。住所は英語表記、または中国語の発音記号である「ピンイン(アルファベット)」で入力する必要があります。
たとえば、住所に「千」という漢字が含まれる場合、漢字ではなく「qian」とアルファベットで入力しなければならない仕組みです。現地の地理や読み方に慣れていない旅行者が、自力でこの表記をパッと入力するのは極めて困難な仕様となっています。
(新世界酒店の住所の例)
中国辽宁大连中山区人民路 41 号
Zhōngguó Liáoníng Dàlián Zhōngshān Qū Rénmín Lù 41 Hào
単語ごとの分解
- 中国(Zhōngguó):中国
- 辽宁(Liáoníng):遼寧(リョウネイ)省
- 大连(Dàlián):大連(ダーリエン)市
- 中山区(Zhōngshān Qū):中山(チョンシャン)区
- 人民路(Rénmín Lù):人民(レンミン)路
- 41 号(41 Hào):41号
冷や汗の私を救った「1冊のアナログノート」という最強の防衛策
入力画面の前で完全に手が止まってしまった私ですが、このピンチを救ってくれたのは最新のデジタルツールではなく、日本から持参していた手書きの「事前ノート」でした。
住所メモを提示して現地の案内係員さんに代行入力してもらう
私は渡航前、ノートの1ページ目に「滞在先ホテルの名称と中国語住所」をはっきりとメモしていました。
自力でのアルファベット入力が不可能な旨を伝えるべく、端末近くに立っていた現地の案内係員さんにそのノートを見せたところ、状況を察した係員さんが手際よく端末を代行操作してくれたのです。
「中山区」などの行政区を適宜省略し、必要なピンインを迅速に入力していただいたことで、無事に入国手続きを完了することができました。
今回の答え合わせから導く「今後の渡航対策」
今回の実地検証から得られた、デジタル化が進む国への渡航における「次の具体的な行動(Next Action)」は以下の通りです。
- ホテルの「英語(アルファベット)表記」を必ず控えておく 予約バウチャー等に記載されている英語住所・ホテル名をあらかじめ保存または印刷しておきましょう。
- 手書きノート・印刷紙は今後も「最強のバックアップ」 現地の端末仕様やWi-Fi環境に不備があった際、現地の言葉が話せなくても「紙のメモを見せる」だけで係員さんのサポートを引き出すことができます。
「渡航歴の廃止」という大きな改善を恩恵として受けつつも、現地での入力形式に備えて「アナログなメモ」を1冊忍ばせておくこと。これこそが、トラブルを最小限に抑えて快適な旅を実現するための決定的な防衛策です。
ピンイン標記がわからないときはAIなどを使って変換してもらうとOK

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