——1ドル160円直前、Wiseに込めた「1,900ドルの防波堤」
ニューヨークのJFK空港に降り立った瞬間、為替レートは1ドル160円目前。メディアが歴史的な円安と騒ぎ、介入の足音が聞こえてきそうな緊迫感の中、私はいつもの旅行よりは少しだけ心に余裕がありました。
それは、出発前に決めていた「あるルール」のおかげです。
「1,900ドル」という自由への投資
「日本ならランチが食べられるのに」といちいち嘆くのは、旅の時間を削るノイズでしかありません。私は出発前、2人分・6泊の必要経費を約1,900ドル(当時のレートで約30万円)と見積もり、すべてドルに換えてデジタルウォレットの**Wise(ワイズ)**に放り込んでおきました。
「これは、この街を呼吸するための必要経費」
最初からこの枠を「決意」として切り離しておくことで、現地での支払いは円安の痛みではなく、自分自身の「物差し」による価値の交換に変わりました。さらに、Wiseに紐づけた銀行口座(ゆうちょ等)に予備費を待機させる「二段構え」が、さらなる安心感を生んでくれました。
デジタルとアナログ、二つの武器の使い分け
今のNYは、空港からのタクシーもすべてタッチ決済。後部座席の目の前に決済端末やディスプレイが設置してあります。画面には無機質に「18%・20%・25%」とチップの選択肢が表示されます。ここでは「ノー」と言いづらいデジタルの仕組みに身を任せる覚悟も必要です。
一方で、手元に用意した「昔の旅行の残りの40ドル」が、実戦では命綱になりました。ホテルに到着してすぐ、部屋まで荷物を運んでくれた方に、そっと渡す2ドルの現金。デジタル画面にはない、手渡しの「感謝」。そうです。このチップについては旅を通じてずっと気になる課題でした(この話題については別の章で)
初日の夜は無理をせず、持参した非常食で胃と財布を休める。「使うべき場所」と「引くべき場所」を分ける。 これが、インフレの街を賢く歩くサバイバルの鉄則です。
「6ドルの洗練」と「4ドルの安堵」
物価高でも、生命線となるものについては初日早々に調達する必要がありました。
それは「水」です。ホテルにはあらかじめ500ミリリットルのペットボトルが2本おいてありましたが旅の疲れですぐに飲み干すし、非常食に水は欠かせません。
ちょうど私たちが行った一週間まえからNYはサマータイムが始まっていて、しかも飛行機が定刻より早く着いたこともあり、私たちは買い物と、タイムズスクエア探検をするためホテルをでました。着ぐるみさんと目を合わせないように?気をつけ、ネオンを堪能し、帰路の途中のホールフーズ(Whole Foods)で1.5リットルの水3本かいました。あとロング缶のビール一本。これで13.66ドル。けれど、こうした「生きるためのコスト」+「外食よりはまし」を認めつつ、カフェ選びでもメリハリをつけました。
ハドソンヤードのブルーボトルコーヒーで飲む7ドルのシングルオリジンには、街の最先端を味わう投資としての満足感をえました。一方で、ユニクロの中にあるカフェで見つけた4ドルのホットコーヒーには、手軽さと痒い所に手が届く小気味よさを感じました。喉が渇いていた私は、迷わずラージのアイスコーヒーを選びました(飲み切れずに手にして外に出た瞬間ビル風で寒くなりましたが・・・)。
【実録】1,900ドル運用の全貌 — 600ドルを残した「選択と集中」
| カテゴリ | 実績(2人分・6泊) | ポイント |
| 主要観光チケット・みやげ | $560 | エンパイア、サミット。MoMA、METはクレカ。MJや自由の女神は日本で事前購入。 |
| 交通費 | $270 | 空港往復タクシー($200)、Uber2回($30)。効率と安全を買う。地下鉄にも一日最低一回は乗りました、あと、連れはOMNYカード購入。40ドルチャージ |
| 攻めの食費 | $400 | ステーキ・タイ・メキシカン($260)、ドーナツはしご($70)。カフェ2回($20)スーパー($50) |
| ドネーション・チップ | $90 | ハーレムの教会への寄付($40/現金) + 清掃・枕元等の現金チップ。 |
| 最終残高 | 約$600 | 1,900ドルの予算に対し、余裕を持って着地。 |
最終的に600ドルほどを残して帰国できたのは、我慢をしたからではありません。
100ドル超えのステーキやユニクロのカスタムTシャツには一切の迷いなく支払い、一方で「単に座って食べるだけの食事」などは潔くカットした。その**「自分にとって何が大切か」を研ぎ澄ませた結果**です。
数字に踊らされず、自分の物差しで街を歩く。
160円目前のNYが教えてくれたのは、そんな「しなやかで強い」生き方のヒントでした。

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