読者視点の「名医の見極め方」編
「高い=良い」とは限らない。インプラント素材の裏事情
インプラントの被せ物(冠)を選ぶとき、多くの人が「一番高いものなら安心」と考えがちです。「ジルコニア」や「貴金属」のことです。
しかし、そのような素材は硬くて丈夫ですが、あとで頭を抱えることになってしまうのです。
なぜなら、嚙合わせるあなたの残った歯を傷つけてしまうリスクがあるからです。
つまり、大切なのは、素材の値段ではなく**「自分の歯といかに馴染むか」**という視点です。
賢い患者が選ぶべき「硬すぎない」最新素材
今回、私が出会った名医が推奨したのは、ヨーロッパで独占的に扱われている最新のハイテク素材でした。先生はこれを「車でいえばポルシェ級」と例えます。
なぜ「硬すぎない」方がいいのか?
- 天然歯との共存: ジルコニアのように硬すぎると、噛み合う相手の歯をヤスリのように削ってしまいます。
- 衝撃吸収: 自分の骨に近い弾性を持つ素材なら、インプラント本体や顎の骨にかかる負担を逃がしてくれます。
こうした「患者の10年後」を見据えた素材選びを提案してくれるかどうかが、名医を見極める最初のポイントです。
信頼できる歯科医を見分ける「3つのチェックリスト」
私が驚いたのは、その先生がこの高級素材を「相場の半額程度」で提供していたことです。安かろう悪かろうではなく、そこには圧倒的な**「企業努力」**がありました。
医師自らが「デジタル設備」を使いこなしているか
外注任せにせず、自ら3Dプリンタ等の最新機器を導入し、模型製作まで行う医師は、噛み合わせの微細な違和感を見逃しません。また、時間的に大いに短縮でき、歯科技工士の手もかからず、不具合が出た場合、すぐにまた作り直せるという将来を見据えています。
素材の仕入れに「執念」があるか
「現金一括交渉で安く仕入れている」といった、材料費を下げるための具体的な努力を惜しまない医師は、患者の金銭的負担を自分事として捉えています。
「高めに作って調整する」手間を惜しまないか
「当たっていなければ文句を言われないから低めに作る」という妥協をせず、あえて調整しろを残し、現場でミリ単位の適合を突き詰める。この「手間の掛け方」にこそ、プロの誠実さが現れます。
私たちが選ぶべきは「仕事を面白がって追求する」医師
その先生は、1日2食、外食も嫌いでほとんど自炊。休みは薪作りというストイックな生活を送りながら、「仕事が面白くて仕方ない」と笑います。報酬のためではなく、最高の一歯を作り上げることに喜びを感じている。
そんな**「知的好奇心と誠実さが一致している医師」**に出会えるかどうかが、私たちのQOL(生活の質)を左右するのです。
翻って自分の仕事への姿勢を問う
「そんな名医、どうせ私には縁がない」 そう思われるかもしれません。実は私も、先生の輝かしいプロ意識を聞きながら、心の中では**猛烈な「恥ずかしさ」と「惨めさ」**に悶絶していました。
先生が希少で高価な素材を手に入れるため、本来得るべき報酬の約10分の1,10万の報酬で5年も資金づくりに充て、お金をためて現金一括交渉をなしとげました。また、徹底的に患者(相手)に合わせて咬合の調整を繰り返している。
一方で、私はどうだったか。
新しい職場のやり方に「自分らしくない」とたった3日で結論づけ、相手に合わせる努力もせず、ただ自分が仕切りたいだけのエゴを「プロ意識」と履き違えていたのではないか。
次回は、この「ポルシェ級の歯科医」に完膚なきまでに叩きのめされた私が、新天地で「徹底的に泥臭く合わせる」と決めた、ある種の『修行』の記録をお話しします。

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