年度末の急な出費、NISAと定期預金どちらを解約すべき?損しない資産の守り方

出費続きの3月

3月、年度末。 進学や引越しなど、ただでさえ物入りなこの時期に限って、予想もしないトラブルは重なるものです。

わが家でも先日、海外旅行中の家族がトラブルに巻き込まれ、自力で高額な代替便を手配しなければならない事態に陥りました。 深夜のLINE、風邪気味で憔悴する家族、刻一刻と埋まっていく座席。 ようやく確保した欧州経由のプレミアムエコノミー……。

その混乱の渦中で、家族が口にしたのは**「NISAを解約して費用を捻出する」**という言葉でした。

私はあえて、強めの言葉でそれを止めました。 「NISAは絶対に触っちゃダメ。まずは定期預金を使い切りなさい」

なぜ、大切に守ってきた「最後の砦」である定期預金を先に崩すべきなのか。 そこには、パニック時に陥りやすい「感情のバイアス」がありました。

「自分の力」で解決したいという、痛いほどの自尊心

家族がNISAを売りたがったのには、数字上の損得ではない理由がありました。

  • NISA: 自分が働き、勉強してコツコツ積み上げた「自立の証」。
  • 定期預金: 親が子供の頃から積み立ててくれた「親の愛情の結晶」。

自分の不始末(トラブル)で親のお金(定期)を減らしたくない。自分の力(NISA)だけでケリをつけたい。 その健気なプライドは痛いほど分かります。でも、戦略的パートナーとしての私の視点は違いました。

「今、そのプライドを守るために将来の成長を売るのは、本当の自立じゃない」

「利息」と「非課税枠」の圧倒的な差

実は私も以前、自分のことで悩んだことがあります。NY旅行代金の捻出です。

冷静に比較すれば、答えは残酷なほど明快です。

  • 定期預金: 金利は微々たるもの。解約しても失うのは数百円の利息です。いわば「ただの現金」であり、使ってもまた貯めれば元の姿に戻せます。
  • NISA: 今まさに世界経済の成長に乗って増え続けている「金の卵」です。さらに、一度売却してしまえば、その「運用益が非課税になる権利」は二度と同じ条件では戻ってきません。

「親の愛(定期)」を聖域化して守り、自分の「未来(NISA)」を差し出すのは、実は一番大きな「損」を選択していることになります。

「幻のお金」と「実在のお金」の正体

 家族が最後まで渋った理由。それは、NISAは『増えたり減ったりする、まだ手に入れていないお金(幻)』であり、定期預金こそが『通帳に刻まれた、確実に存在するお金(現実)』だという感覚でした。

多くの人が、損を確定させるのを嫌い、手元の現金を聖域化します。

ですが、現実は逆です。 今この瞬間、そのNISAの評価額で『売れる』のであれば、それは立派な実在する資産です。 逆に、物価が上がり続けている今、利息がつかない定期預金は、持っているだけで少しずつ価値が削られていく『目減りする資産』に成り下がっています。

幻を守るために現実を差し出すのではなく、『今ある武器(定期)』を使って、確実に増える可能性のある『種(NISA)』を残す。

これが、パニックから抜けて冷静な投資家脳に戻るための、唯一の考え方でした。

「砦」は飾るものではなく、守るために使うもの

定期預金が「最後の砦」であることは間違いありません。 しかし、砦は鑑賞するためにあるのではなく、非常時に自分や家族の生活を守るために「決壊」させるためにあるのです。

家族の事故、病気、そして今回のような予期せぬトラブル。 これこそが、親御さんが願った「いざという時にこの子を助けてほしい」という想いが具現化されるべき瞬間ではないでしょうか。

結論:パニックの時こそ「遠く」を見る

トラブルの渦中にいるときは、どうしても「目先の数字」や「自分の面目」を優先してしまいます。 ですが、そんな時こそ、隣にいる冷静な第三者の声に耳を傾けてください。

健康を損なっては元も子もありませんし、感情的な理由で将来の資産を切り崩しては、帰国後の生活に後悔の種を植えることになります。

「定期預金はまた日本で働いて返せばいい。でも、積み上げてきた運用時間は取り戻せない」

今回のわが家の決断が、同じように急な出費に頭を抱えるどなたかの、冷静な判断の助けになれば幸いです。

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