【NY編】英語ができなくても、NYは案外「やさしい」街だった

「ニューヨークに行くなら、英語がペラペラじゃないと楽しめないのでは?」 そんな不安を抱えている方にこそ、私の体験を伝えたいと思います。実は今回の旅、個人的には「英語の勉強」という視点を完全にシャットアウトして臨みました。

結論から言うと、英語がそれほど話せなくても、ニューヨークは驚くほど「生活者」として受け入れてくれる街でした。

究極の「言葉いらず」な仕組み

以前訪れたメルボルンでは、英語がわからないと厳しい場面も多かったのですが、ニューヨークは違いました。多種多様な人がひしめき合うこの街は、言葉に頼りすぎない「ユニバーサルデザイン」が徹底されています。

  • 注文は「チェック式」: ドーナツ屋さんは写真付きの伝票にチェックするだけ。
  • 支払いは「見える化」: タクシーの運賃はディスプレイに明快に表示される。
  • スマホが「目」になる: 難しい解説文も、スマホのカメラをかざせば一瞬で日本語に。

物価は確かに高いですが、この「誰をも拒まない仕組み」のおかげで、余計な緊張をせずに街に溶け込むことができました。

「日系ホテル」という、最高の守備線

今回、日系ホテル(キタノホテル)を選んだのは大正解でした。 6泊という長丁場。最初は「せっかくの海外だし」と意気込んでいても、やはり体は正直です。普段はそれほど和食に惹かれない私ですが、慣れない環境で少し疲れた胃に、ホテルの朝食で出た「お味噌汁」が、驚くほど染み渡りました。

「あぁ、やっぱり落ち着く……」

無理に現地の食事や英語に合わせるのではなく、自分を休ませる場所を確保しておく。この「心の余裕」があったからこそ、外の世界を存分に楽しめたのだと思います。

生きた言葉の「答え合わせ」

英会話の練習で「トイレはバスルーム(Bathroom)」と習い、でも現地の表示は「レストルーム(Restroom)」。どっちが正解?と迷っていたら、現地の人が店員さんに「Where is the bathroom?」と聞いている場面に遭遇しました。 そんな些細な「答え合わせ」だけで、十分。美術館の難しい英語ガイドはちんぷんかんぷんでしたが、それでいいのだと思えました。


あとがき:等身大の旅を終えて

ニューヨークの紀伊國屋で見つけた、福井が舞台の物語『チラムネ』の英語版。 1巻と7巻だけがポツンと残っていたその棚の前で、私は「ありのままの自分で、またここから始めればいいんだ」と、ふっと肩の荷が下りるのを感じました。

「今、目の前のことを一生懸命やる」

大野智さんの言葉を借りるなら、背伸びをして英語を話すことではなく、今この街で、目の前のお味噌汁を味わい、目の前の景色を一歩ずつ楽しむこと。それが私にとっての「最高のNY」でした。

もし、あなたが「言葉」を理由に迷っているなら。 大丈夫、ニューヨークは、今のあなたのままでも、案外やさしく迎えてくれますよ。

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