楽しみな多気ヴィソンへ
先日、県外へ遊びに行った。
帰り道には、多気ヴィソンに寄るつもりだった。
私はあそこが好きである。
おいしいもの、かわいいものが大渋滞している。
あちら方面へ出かけると、つい立ち寄りたくなる。
今日は何を食べようか。
そんなことを考えるのも楽しみのひとつだ。
この日は平日だった。駐車場も無料になっていた。これは時間を気にせずゆっくりできると期待はさらに高まった。
有名パティシエのケーキ店のカフェが驚くほど空いていた。
普段なら混雑している人気店である。
これはチャンスだと思った。ほかにもスイーツのお店はたくさんあるし、これまた有名なコーヒーチェーンも行きたいが、ケーキがわかりやすい。スイーツの王道だもの。
ショーケースにはきれいなケーキが並んでいる。
どれもおいしそうだ。
どうしよう…。ひとつに決めきれず、私は2つ注文した。連れにはちょっと引かれたが、手伝ってもらうつもりもあった。
ここまでは完璧だった。
問題はその後である。
実は私はここ3週間ほどダイエット中なのです。
間食はほとんどせず、甘いものも控えている。私にしては頑張っているしよくやっている。
体重よりも見た目重視。
食べながらのダイエットだから、なかなか成果は出ないが、それなりに続いている。
だから久しぶりのケーキだった。
楽しみすぎる。今日はなぜか「チートデイ」。ここへ寄るためにランチも控えてスープだけにしたし・・・。
本当に楽しみにしていた。「いただきます!」
ところが一口食べて驚いた。
甘い。
思っていたよりずっと甘い。
まずいわけではない。
むしろおいしいのだと思う。
ただ、私の口が受け止めきれなかった。
二口、三口と食べても感動が続かない。
それどころか、だんだん苦しくなってきた。
それでも残すのはもったいない。
結局ほぼ食べ切った。最後は義務だった…。
そして見事に胸焼けした。
夕飯が入らない。
ケーキバイキングの後のような状態である。
この感覚は不思議だった。
そして、今でもケーキは好きなのだ。
ショーケースを見たときは本当にわくわくした。
どちらか一つなんて選べなかった。
だから2つ頼んだ。
その時の気持ちに嘘はない。
しかし体は別のことを言っていた。
もうそんなには食べられません、と。
私は少し悔しかった。
ケーキが嫌いになったわけではない。
食べたくなかったわけでもない。
むしろ食べたかった。
でも体が追いつかなかった。
たぶん今回の失敗は、ケーキを2つ頼んだことではない。
私は昔の自分の感覚で注文してしまったのだ。
頭の中には今でも、
「ケーキなら2個くらい大丈夫」「スイーツは大好きだもの」
という私が住んでいる。
ところが現実の私は、そうではなかったらしい。
味覚も胃袋も、少しずつ変わっている。
でも記憶はなかなか更新されない。
私の中には今でも、
「ケーキなら2個くらい食べられる私」
が住んでいる。
ところが現実の私は、そうではなかったらしい。
体はとっくに変わっているのに、心は少し遅れて追いかけている。
人間というのは案外そんなものなのかもしれない。

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