台湾何しに行く?子どもの弾丸旅行を見て考えた

子供が週末台湾にいくらしい

仕事が終わってから近くの新幹線駅へ行き、そのまま関空を目指す。

夜の飛行機に乗って、機中泊。

台湾に着いたら、ほぼ丸一日過ごして、その日の深夜便で帰ってくる。

ホテルは取らない。

「一人で外国へ行くのは初めてだから、行ったことのある台湾にした」

なるほど。

初めての一人海外なら、勝手がわかる場所を選ぶのは理にかなっている。

そして、今回の目的は観光でも買い物でもないらしい。

グルメ。

台湾で食べたいものを食べるための旅なのだという。

私は思わず、

「時間がないのか、お金がないのか……」

と思ってしまった。

いや、両方なのかもしれない。

でも本人にとっては、そんなことはあまり問題ではないのだろう。

ホテルに泊まらなくてもいい。

観光地をたくさん回らなくてもいい。

台湾で食べたいものを食べられれば、それで旅になる。

そう考えると、なんだか潔い。

私だったら、どうするだろう

私はたぶん、この旅はできない。

一番の問題は睡眠だ。

子どもは「酔い止めを飲めば飛行機の中で寝られる」と言う。

そうか。

でも私は、機中泊でちゃんと眠れる自信がない。

しかも、薬の加減を間違えたら、翌日までぼんやりしてしまう。

私にとっては、

「眠れるか」より「翌日、ちゃんと使いものになるか」

のほうが重要なのだ。だから最近はビジネスやプレミアムエコノミーをとる。

ここに、年齢が出るのかもしれない。

若い頃なら、「一日くらい寝なくても何とかなる」と思ったかもしれない。…いや、若いころから私は移動中の睡眠というのが苦手だった。

だから、今は、さらに睡眠を削ってまで旅行したくない。

ホテル代を払ってでも、アップグレードしてでもちゃんと寝たい。

自分にとって何が大事なのかが、以前よりはっきりしてきたということなのだと思う。そして子供の旅を聞いてますます今までぼんやりとしていた私の旅スタイルの焦点が定まってきた。

そういえば、私も台湾に行きたいと思っていた

私は中華料理が嫌いなわけではない。

台湾にも行きたい。

ただ、台湾へ行くなら、私はマンゴーの季節がいいと思っている。

「台湾でマンゴーを食べたい」

それくらいの理由でいいじゃないかと思うのだけれど、なぜか行けていない。

最近は小松―高雄便も就航した。

福井から台湾が、以前よりさらに身近になった。マンゴーといえば台湾でも南の方が有名だし。

それなのに、まだ「行きたい」と言っているだけである。

一方、子どもは、仕事が終わったらそのまま台湾へ向かう。

この違いは何なのだろう・・・。

私は「旅に意味」を求めすぎるのかもしれない

考えてみれば、私は旅行に対して、少し面倒なところがある。

「どこへ行きたい?」と聞かれたら、単に「台湾!」とはならない。

なぜ台湾なのか。

そこで何をしたいのか。

その土地で何を感じたいのか。

できれば、その旅には何かしらの意味があってほしい。

以前から「暮らすように旅する」という言葉に惹かれているのも、たぶんそのせいだ。

観光地を次々と巡るより、その街で暮らすように数日過ごしてみたい。

朝、市場へ行って。できれば地元の人が食べるものを食べて。

スーパーをのぞいて。街を歩いて。

「ここで暮らしたら、どんな感じなんだろう」と考えてみる。

だから、旅に出る前から少し考えすぎてしまう。

そして、考えているうちに、計画の段階で疲れてしまう。

大連に行きたい、と言っていたのもそうだった

私は11月に大連へ行きたいと思っていた。

かなり前には、個人的に大連の何かに盛り上がっていた。

たしか、ワタリガニだったと思う。

……今となっては、その熱量のわりに、何をそんなに食べたかったのか、少し忘れている。

でも、そんなことも含めて面白い。

「大連に行きたい」という気持ちはある。

けれど、美容医療を優先したり、仕事のことを考えたりして、少し足踏みしている。

行きたい場所がある。

行く理由もある。

それでも、人はなかなか旅に出ない。

「何を削らないか」が、旅を決めるのかもしれない

子どもの旅を聞いていて、ふと思った。

子どもは、ホテルを削った。

機内泊も受け入れた。

観光地巡りも削った。

でも、台湾で食べたいものは削らなかった。

私は逆だ。

ホテルは削りたくない。

睡眠も削りたくない。

その代わり、観光地を全部回る必要はない。

たぶん、旅のスタイルに正解があるわけではない。

若い人の弾丸旅行が正しいわけでもないし、ホテルに泊まってゆっくりする旅が正しいわけでもない。

大切なのは、

自分は旅で何を削って、何を削りたくないのか。

そこなのかもしれない。

グルメが目的なら、観光地を一つも見なくてもいい。

マンゴーを食べたいなら、マンゴーの季節に台湾へ行けばいい。

ワタリガニが食べたいなら、それを目的に大連へ行ったっていい。

そして、「ちゃんと眠りたい」が旅の条件なら、そこにお金を使えばいい。

さて、私は大連へ行くのだろうか

子どもの台湾旅行を見ていたら、なんだか自分のことまで考えてしまった。

「行きたい」と言っているだけでは、いつまでたっても行けない。

でも、何でも勢いで行けばいいというものでもない。

年齢を重ねた今だからこそ、無理をしないことも大事だ。

ただし、「無理をしない」と「行かない」は、同じではない。

そこは、ちょっと気をつけたい。

11月。

大連。

そして、ワタリガニ。

……いや、ワタリガニだったよね?

忘れてしまったくらいなら、もう一度ちゃんと調べてみよう。

そうやって旅の理由を一つずつ思い出しているうちに、今度こそ航空券を取るところまで行けるかもしれない。

子どもは、食べたいものがあるから台湾へ行く。

私は、何をしに大連へ行くのだろう。

旅の意味を考えるのも、旅の始まりなのかもしれない。

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