県政は誰が動かしているのか──知事選を前に考えたこと

暮らし・日常

私の住んでいる県では、来年1月早々知事選があります。

前知事が任期途中で辞任したため、です。このブログを書いている現在、まだ告示はありませんが、すでに複数の方が立候補を表明しておられます。

中には30代という若さで、それまでのキャリアを投げうって出馬表明された方もおられます。

当然?私は「どうなるのだろう」「じぶんはどうすればいいのだろう」と考えてしまいました。

もやもやの正体

正直に言うと、今回の知事選について、私はまだ自分の中で整理がついていません。
保守か刷新か、と言われても、その二語だけでは考えきれない感覚が残っています。

候補者の顔ぶれを見て、
「政治経験が足りないのではないか」
「本当に安定や継続と言えるのだろうか」
そんな思いが、行き来しています。


知事がいなくても、県政は動いていた

今回の選挙を考える中で、私の中に強く残った出来事があります。
それは、前知事が途中で辞任した後も、県政が粛々と進んでいたことです。

知事が不在でも、
議会は開かれ、
予算は審議され、
行政は淡々と動いていました。

その様子を見て、私は安心すると同時に、
「一体、県政は誰が動かしているのだろう」
という疑問を持ちました。


県政を支えているのは、ひとりではない

改めて考えてみると、県政は知事一人で動いているわけではありません。

県庁の職員、議会、国の制度や補助金、
そして地元の団体や経済。
それらが重なり合い、知事はその最終判断と、
方向性を示す役割を担っています。

だからこそ、知事が交代しても、
ある程度は行政が回る。
一方で、途中辞任は「実務」以上に、
県政の「意味」や「信頼」を問い直すものだったと感じました。


避けて通れない二つの県政課題

直近の県政課題として、
北陸新幹線の敦賀以西の問題と、
福井市のアリーナ建設が大きく取り沙汰されてきました。

この二つの課題に対して前知事は「旗振り役」として大きく推進を先導してこられました。

それが、今回の辞任で中断するのか否か、県民としては大いに関心があるところです。

どちらも、知事の名前が誰であっても避けて通れない課題です。
そして同時に、知事一人の判断で、
白紙にしたり急に前に進めたりできるものでもありません。

そう考えると、今回の選挙は、
「誰が魔法のように解決してくれるか」を選ぶ場ではなく、
県政とどう向き合うのかを、
改めて考える機会なのだと思うようになりました。


私自身の迷いについて

私は決して安定志向ではありません。
実際、長く同じ席に居続けることで、
組織が硬直していく様子も見てきました。

一方で、自分自身は、
一度関わった現場から簡単に離れたいとも思えません。
問題を抱えながらも、
続ける価値のある仕事や場所があることも、現実です。

そのことが、
選挙では刷新を考えながら、
自分の働き方では継続を選んでいるように見えて、
どこか後ろめたさとして残っていました。

でも今は、
現場を支える立場と、
権力を持つ立場は、
同じ基準で語れないのではないかと考えています。

現場は積み上げるもの。
権力は、循環させるもの。
この二つは、両立してもよいのだと思うようになりました。


どの失望を引き受けるのか

今回の知事選で、私が考えているのは
「どちらが正しいか」という判断ではありません。

むしろ、選択の先に待っているであろう
失望の質の違いについて考えています。

政治経験の少ない候補を選んだ場合、
新しい視点や既存の枠にとらわれない発想への期待がある一方で、
県庁組織や議会、国との調整に時間がかかること、
判断が遅れたり、迷いが表に出たりする場面も
避けられないだろうと思います。

一方で、行政経験のある候補を選んだ場合は、
初動の安定や、制度や人脈を踏まえた対応が期待できます。
ただ、その「安定」が、
これまでの延長線上にとどまることへの諦めや、
変わらなさへの失望につながる可能性も感じています。

どちらを選んでも、
失望がまったくない、ということはない。
だとしたら、私は
「失敗するかもしれない動き」と
「大きな失敗はしないかもしれない停滞」の
どちらを引き受ける覚悟があるのか。

その問いの前に、
私はまだ立ち止まっています。

有権者、主権者と言われながら

知事選を考える中で、
「有権者」「主権者」という言葉の意味についても、
立ち止まるようになりました。

投票することで意思を示しているはずなのに、
知事が途中でいなくなっても、
県政は淡々と続いていく。

その現実を前にして、
私たちは本当に県政を動かしているのか、
それとも、動いているものを後から追認しているだけなのか。

今回の選挙は、
その問いを自分に突きつける機会になっています。


結論は、まだ出ていない

この記事は、特定の候補を支持するためのものではありません。
私自身が、まだ迷っているからです。

ただ、この迷いを言葉にすることで、
同じように考え込んでいる方と、
静かに考える時間を共有できたらと思っています。

もし、あなたが投票所で迷ったとしたら、
それは「どちらが正しいか」ではなく、
「どちらの結果なら、あとで自分が納得できるか」を
無意識に考えているからかもしれません。

コメント