夜中に見る求人サイトが、私の自尊心を削っていた

60代・失業と再設計

「無職になる」と聞くと、多くの人は生活の不安を思い浮かべます。
けれど、実際に直面したのは、収入よりも「自分をどう説明すればいいのか」という問題でした。

この記事は、無職になったことの感想を書くものではありません。
これまで“ちゃんとやってきた人”ほど、次の一歩で詰まりやすい理由を、整理するための記録です。

眠れない夜に見てしまうサイト

4月から無職になると決まってから、眠れない夜が増えました。
布団の中でスマホを開き、無意識のうちに求人サイトを見ています。

画面に並ぶのは、
タイミー、インディード、ハローワーク。

条件は、これまでの収入より低く、勤務地も選べず、内容も厳しいものばかりです。
それを見ているうちに、胸の奥に重たいものが溜まっていく感覚がありました。

眠れない夜に求人サイトを見るという行為

夜に求人を見ると、なぜこれほど気持ちが沈むのか。
それを、あとから冷静に考えてみました。

判断力がいちばん落ちている時間帯

夜は、身体も心も疲れ切っています。
昼間なら受け流せる情報が、夜にはそのまま刺さります。

冷静な比較や取捨選択ができない状態で、
「条件の悪い仕事」と
「働き続けてきた自分」を
同じ土俵に並べてしまっていました。

情報収集のつもりが自己否定になっていた

求人を見ているつもりでしたが、
実際にやっていたのは、

  • 自分はこの程度の条件しか出てこない
  • もう選べる立場ではない
  • 価値が下がったのではないか

という、自己評価の切り下げでした。

これは就職活動ではなく、
自分に対するダメージの蓄積でした。

低賃金の仕事がつらいのではなかった

正直に言うと、
低賃金であること自体が一番つらかったわけではありません。

「これが今の私なのか」と思ってしまうこと

求人の条件を見るたびに、
それがそのまま自分の値札のように感じられました。

  • この時給が私の評価
  • この条件が私の現在地

そう考え始めたとき、
生活全体が一気に色あせていきました。

「つなぎの仕事」と「立て直すための仕事」は違う

ここで、はっきり分かったことがあります。

今見ていた仕事は「生活をつなぐ」ものでしかない

夜中に見ていた求人は、
今すぐ人手が欲しい現場の条件です。

それは、

  • 人生を立て直す導線
  • 評価を積み上げる仕事
  • 次につながる役割

を示すものではありません。

それを見続けると「出口がない」と錯覚する

本来は一時的な選択肢であるはずなのに、
夜に見ると、それが将来の終着点のように感じられました。

「これでは立ち直れない」と感じたのは、
仕事がないからではなく、
回復につながらない情報だけを見続けていたからでした。

メンタルが静かに削られていくサイン

今振り返ると、危険な兆候がいくつかありました。

眠れないまま考え続ける

生活の全てを「贅沢」「無駄」と感じる

自分を過小評価し、卑下する言葉が増える

これらは、
性格の問題でも、気の持ちようでもありません。

抑うつに向かうときに、多くの人が通る道です。

私が決めたこと

このままではいけないと感じ、
一つだけ決めたことがあります。

夜には求人を見ない

求人を見ること自体をやめたのではありません。
時間帯を変えることにしました。

  • 求人を見るのは昼間だけ
  • 布団の中では見ない
  • 眠れない夜は、判断をしない

これは逃げではなく、
自分を守るための選択です。

無職の時期に必要なのは「自己管理」より「自己保全」

無職になると、
「ちゃんとしなければ」「早く立て直さなければ」と思いがちです。

でも今の私に必要だったのは、
行動を増やすことではなく、
自尊心をこれ以上削らないことでした。

同じ状況にいる人へ

もしあなたが、

  • 夜に眠れず
  • 布団の中で求人を見て
  • 自分の価値まで下がったように感じているなら

それは、あなたが弱いからではありません。

一番しんどい時間帯に、一番厳しい情報を浴びているだけです。

立ち直れないのではなく、
立ち直る場所を、間違えているだけかもしれません。

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