「賑わい」の中に感じる、少しの寂しさ
新幹線が開業し、恐竜たちが街を彩る今の福井駅前。その活気は喜ばしい一方で、かつての駅前を知る私たち世代にとっては、ふと「居場所のなさ」を感じる瞬間があります。
「夜、少しだけ誰かと待ち合わせてお喋りしたい」 「電車が来るまでの30分、静かに本を読みたい」
そんな時、以前なら駅前のミスドやマクド、あるいはユアーズホテルのラウンジがありました。気兼ねなく、でも落ち着いて過ごせた「あの場所」たちが、今の洗練された再開発ビルの中では少し見つけにくくなっているようです。
現代の駅前で見つける「大人のための止まり木」
今の駅前は、外から見える「賑わいの演出」が中心。ガラス張りで外から容易に中の様子が見える造りのお店がほとんど。慣れてしまえばどうということはないのでしょうけれど、ちょっと「隠れ家」的な場所がほしいときもありますよね。
以前は地下の喫茶店や小さな食堂などが点在していましたが、今は再開発でほとんどみかけなくなりました。
けれど、諦めるのはまだ早いかもしれません。今の私たちが、一見さんでも気負わず、かつ「お財布」も「心」も穏やかに過ごせる場所をいくつか探してみました。
周辺施設
アオッサ 一階のコーナーはテーブルとイスがあってどなたでもやすむことができますし、ユトリコーヒーというテナントも入っています。 待ち合わせまでの隙間時間、情報の海の中で静かに呼吸を整えるには最適な場所です。
ハピリン・・・一階には「プロント」があります。軽食でも喫茶でも使い勝手はいいですね。
フクマチブロック1F カフェ&バー「ULO(うろ)」 フクマチブロックの一角。ここはちょっと暗めで外からは,一見「近寄りがたい?」とおもわれるかもしれませんが、大丈夫です。ランチはもとより夜でもカフェ利用ができ、何より「座って注文できる」安心感があります。
「信頼」を頼る
近隣ホテルのラウンジ 駅周辺のホテル、コートヤードバイマリオットのロビーラウンジは、宿泊者以外も喫茶利用ができます。たどり着き方は最初は「どこ?」となりそうですが、まず、駅側から歩いていくと「フクマチブロック」または「minie」の入り口があります。「ホテル」の案内が書いてありますからエスカレータを上ります。2階まで行くと、またエスカレーターが出てくるので3階へ。ホテルのフロントへのドアを開けましょう。その奥というか左手にエレベーターが。ここから15階のダイニングか、16階のラウンジへ行くことができます。15階ではビュッフェの企画がしょっちゅうでてきていますし、16階ではアフタヌーンティーもいただくことができます。
知る人ぞ知る、駅舎の「奥座敷」:観光交流センター
東口側にある「福井市観光交流センター」へ足を延ばしてみてください。ここは、大人が求める「静寂・清潔なトイレ・座り心地」が揃った、駅前で最も質の高い避難所です。
2階の喫茶スペース: 駅ナカのカフェが満席でも、ここは一歩離れているため、比較的落ち着いて座ることができます。何より、新しい施設ならではの清潔なトイレが近くにある安心感は、私たち世代にとって外出時の大きな味方です。
3階・屋上展望ラウンジ: さらに上へ上がれば、広々とした展望空間が広がっています。ここは「賑わい」を見下ろす場所。電車の時間を待ちながら、あるいは少し考え事をしたい時に、誰にも邪魔されずに椅子に座って過ごせる、まさに「大人のための止まり木」です。
街の変化を、ゆっくり楽しむゆとりを
「昔はよかった」「今の賑わいはいったいいつまで続くだろう」などという感情もでてはきますが、自分たちの町が今どうなっているのか、相変わらず落ち着ける場所は残っているのか、新しい「止まり木」はあるのか、など、まだまだひきこもるには早い私たちもたまには探検にでかけましょう。
ここにはかききれませんでしたが、カレーのおいしい路地裏のあの喫茶店は健在ですし、何時行っても混んでいてなかなか利用できないお店もにぎわっています
福井は都会と違って電車やバスの数も少ない。ぽっかり空いた待ち時間を、一度、展望ラウンジで「あえて何もしない30分」として自分にプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
「どこもかしこもガラス張りで、落ち着かない」 そんな本音は、決してわがままではありません。街が便利になる一方で、私たちが長年大切にしてきた「日常の句読点」のような場所が少なくなっているのは、少し寂しい現実です。
けれど、賑わいが落ち着いた数年後、きっと今の「攻め」の開発の隙間に、地元の人たちがふと集まれるような「ちょうどいい場所」が戻ってくると信じています。
それまでは、自分だけの「秘密の止まり木」をいくつか持っておきませんか?派手な恐竜たちを横目に、そっと静かな扉を開ける。そんな駅前の歩き方こそ、今の私たちにはお似合いかもしれません。

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